英国伝統のミニという車があります。これはドイツの会社がアメリカ製のエンジンを積んで今にイメージだけ復活させた最新世代もありますが、ここで言うのは、その伝統的な小さい車の方。このクルマ、素人には形が全く同じに見えてもクラシックと中古という2種類が存在するのです。
詳しく言うときりがないのですが、初期のグリルの角が丸くて、窓ガラスも引違のスライド式、テールランプも小さいモデルは、オリジナルであればクラシックカーとしての価値がある。例えクーラーもなくて床が抜けていたり、ルーフの雨どいに腐りがあって、クーパーやモーリスでなくとも価値は認められるのです。
ところが、オーストラリアで作られたカッコは全く同じのオートマティックのリッターエンジンは、中古車なのですね。雨どいの腐りや、マーク1を真似た改造は査定の減点対象。
なぜそんなことを言いだしたかというなら、久し振りにお邪魔したユーミーさんで、いくらかのモデルを整理したいというお話を伺ったからです。以前にも、そんなお話をネタにしましたが、今一度お知らせすると同時に、少し考えてみました。
ユーミーさんには、ブログ主にとっては珠玉のモデルが山の様にならんでいるのです。星野さんと違うのは、これらのモデルがクラシックであるとご理解されていること。パーシモンのオーダーを生業とした方にはクラブもデザインしたという経験がある。すると多くのみなさんは、自らの生み出すものが最も優れているものというプライドを持ち、いくら一世を風靡したクラシックモデルであっても、その目には欠点と、中古としての価値しか映らないことが多い。
ユーミーさんももちろんオリジナルを作成した経験がおありですが、過去の優れたものには敬意を示し、クラシックをブームの頃に扱った経験もある。今のブログ主のスタンスからは、お話を伺うにはユーミーさんのご経験が興味深いものなのですが、こと、お手持ちのものを整理されるとなると、それぞれに対する価値観にいくらかギャップが生じるのですね。クラブに限って言うなら、現代のパーシモンの流通にはリサイクルショップ価格と、クラシックの芸術品的価値の2つがある。いや、もう一つ言うならネットの流通価格ってぇのがあるか。
譲渡の価値は誰が決めるのかというなら、まずは譲渡主であるのが当たり前。ただしそれではいつまでたっても棚で埃をかぶるというのが現代。一方でリサイクル価格というのはクラシックの価値を一切認めない。
現代に生産した新製品であれば生産コストがあるわけで、価格の設定はコストからの積み上げが一般的。リサイクル品に限って言うなら、仕入れた価格に対して一定の利益を見込んだ価値。
曖昧な言い方ですが、中古品の価値を決めるのは市場であるという原則があります。それはクラブで言うなら、ネット価格ということになるのかなぁ。でも、ブログ主が数多のものを手にする段取りを考えるなら、このモデルならこれくらいといった、市場には通用しない基準があるらしい。
多くのネタに登場するのはたばこ何箱ぐらいなんて言い方をしますが、今、こうしたものを手にする基準はそんなもんなんですねぇ。
ただし、史上の名器とされるものに対しては、もちろん、そんなレベルではないものを頭の中に描いているのですが、ネットの入札では、ほとんどがその基準を軽々と上回り、見送ったこと数知れず。ユーミーさんの立場になれば、整理という言葉に、処分という意味は全くないわけで、さらには分かる人に大切にしてもらえる価値という基準がありそう。
そこは初めて相談を頂いた時に失礼を承知で現代事情をお話しました。だもんで、今回もいくらかの覚悟を持って整理と口にされたのだと思います。
前回のブログ主程度の告知では何も置きなかったわけですが、こうしたクラシックを楽しむ方としてはユーミーさんからのご提供であれば、絶対的に安心できるのがクオリティー。顔の見えない提供者による状態や素性の知れないものではなく、その道のプロの提供なわけで、手にしてみたらネックにひびなんてＷ55みたいなことはないでしょう。必要であれば修理、メンテナンスという作業もお願できる。
早い話が、このブログをお読みいただくみなさんの中でご理解がおありなら、適価で引き取っていただけないかというお話であります。
例えそうでなくても、珠玉のモデル達は一度目にして手にとってみることもお勧め。是非お尋ねですただきたい工房です。
アイアンもたくさんのモデルがありますが、パーシモンなら、ハーマンバロンとジョーフィリップス、ついでに2本のマクレガーのジャンボ、アイアンならペナのＴＰ64は見るだけにして置いてくださぁい。
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