David Graham US Champ

なんか似ていると思ったんですけどね、1983年のマクレガーMTと、クレインのデビッド・グラハムモデル。マクレガーには70年代後半からニクラウスの右腕としてグラハムは参画しているわけで、83年くらいなら、そのデザインの傾向が似ていてもかしくないと思ったわけ。まぁ、その間にはニクラウスのリミテッドのデザインに関与し、どっかでダンロップのオーストラリアンブレードにも拘わった。マクレガーを離れてからなのか、ダイワのDG-273にも拘わった、ってぇ事でいろんなモデルにネームを残したいるわけですね。
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このクレインのモデルはUSオープンチャンプ、なぁンてぇことになっているのですから、80年以降で、87年のメディアには、来日の際にトーナメントで使ったとコメントが残る。即ち80年代中ごろのモデルには違いなく、今に伝わるイメージのほとんどがカーボンシャフトのモデルなんですね。実は今回のスチールシャフトは資料からすると珍しい。トゥルーテンパー系のプリントもないし、といってプレシジョンでもない。国産ならヨコヲかもしれないし、どこのシャフトだかわからないのですが、なんとなく軽いことで、軽量スチールと理解できます。当時はそんな時代。

一方で、似てるんじゃないかって持ち出したマクレガーはホーゼルにツアーフォージドの刻印がある80年代前半のもの。キャプランの本には83年として登場しているので、間違いないと思うのですが、時期的にも同じころと想像しました。
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マクレガーでデザインするグラハムコンセプトと、極東の島国に伝わるコンセプトに、どんな違いがあるんだろうかってぇのも興味を惹いたねぇ。やっぱりマクレガーは大手だったわけで、それまでのマクレガーと見事に一線を画した、とても扱いやすいモデルに仕上がっている。これも手にしたときの過去に詳しく。で、似ていたのはバックデザインだけだったわけで、ホーゼルはクレインと並べるとかなり長いまま。オフセットはかなり大きいし、ソールが薄く見えても、トウ側に野球のバットのように広く見える。マクレガーっぽくはないのですが、脱皮を試みたモデル。アメリカや世界で数を売るにはこんなスタイルが株主受けは良かったんだね。

そんなスタンダードを横に置けば、クレインはかなりグラハムの意見が尊重されたように見える。
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同じ時代にあって、トウ側から見れば重心はホーゼルを低くしたにもかかわらず、ウェイト配分は上が厚くて高めにしているように見えるし、オフセット全盛にあって、ちょっとだけ。なんつったって、ソールが薄いのはこの時代でも珍しい。やっぱりヒール側のウェイトを削りたかったであろう三角削りとか、見え方は似ているけど目的が違うってぇ造形がこの偏屈ブログ主には面白くてたまりません。

ハイトウローヒールのフェイスも、並べてみればスコッチのトウが明らかに違っても、フェイスのコンセプトは同じに見える。今では工業製品のデザインを専門に請け負うデザイン工房が仕事になっている時代ですが、昔で言うなら、クルマにはピニンファリーナとかがあって、優秀なデザインを誇るステイタスでもあった。反面、社内デザインには、それに対抗するようなステイタスもなく、最近の様にデザイナーが発表記者会見に同席することもなかった。
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社内のスタッフが片手間でやりました的な扱いだったんですね。デザイナーの社会的地位が低かったってぇ事だ。ってぇことで、デビッド・グラハムは、デザイナーというよりも、80年のUSオープン覇者としてネームが冠されたわけで、今だからこそ、デザインのコンセプトが、なぁンて語っているというわけだ。マクレガーにもペナは知っているけど、ドンホワイトとかたくさんのデザイナーがいたでしょうから、グラハムはMTとは関係ないかもしれない、ってのがあたりまえだぁね。
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でもバックデザインが似ているというつながりで、一話のネタとしてみました。

ねこジャラシにきょとんとする子ニャンコ。こいつはチョイとビビリなンですよねぇ。でも、それで結構、危ないものに近づかない慎重さは大事。これは危なくないんだけどね。

cat baby