なんか頭痛もするし、胃も気持ち悪い。なんか調子がよろしくないナァ。でもね、ここのところ、手にしたVIPの茶色いセルをリビングのソファーの横に置いていて、テレビ番組がコマーシャルになるたびに手に取ってニンマリしちゃうんです。ところが、暖房のファンヒーターの向きとか、吹き出し口をニャンコが遮って、空気の流れが変わると、夏の軽井沢の家の押し入れのような、かび臭いというか、生乾き菌というか、そんな匂いがぷぅ~ンとすることがある。これ、確実にグリップの匂いなんです。
固形石鹸で洗って、脂汚れを落としたつもりでも、生乾き菌なんすかね。直射日光や、暖房で強制乾燥させるとボロボロになりそうなんで、流しの前で、勝手口の通風孔を開けたまま、洗面にはいつも寒い思いをして乾かしてみたのですが、匂いが抜けきらない。ってぇこれが古臭いってぇ話じゃぁありません。ま、その匂いは使い倒しながら、徐々におさらばするしかなさそうですけどね。
この趣味の金物に関して言うと、いろんなモデルの生産年式を知った上で、マッスルと言われるモデルを観察しても、古色蒼然としたモデルってぇのはそれほどないような気がするんです。それはデザインとか、コンセプトとか基本が変わっていないからにほかならんと思うのですが、最近のスーチャックに頂いたコメントには、こりゃかなり古いモデルですねぇってぇのがあった。実際には1957年頃ですから、その通りなんですが、そこでハタと思ったこと。面取りの浅い、エッジの立ったカクカクなモデルには、一般的に古臭い印象がある。58年のSSやPTにも同じようにモデルのエッジは面取された部分が少なくって、カクカクの印象。
60年代のトミーアーマーやターニーで徐々に丸いイメージなり、この頃の古いってぇ印象は、分厚く化粧されたクロームメッキのイメージ、ポッテリした印象ですかね。
67年のVIPになると、もう古臭さは一切なくなって、ほとんど今時のマッスルと変わらない印象になる。ま、これは勝手な思い込みでもあるのですが、マクレガーで言うと、そんな感じ。
ヘーゲンで言えばもっとモダンな印象になるのが早くて、61年モデルには、そんな古い印象がないんだな。でも、こんなことを考えてみると、やっぱり自身の経験がそんな判断に影響しているんです。多くの人に見てもらえれば、VIPはやっぱり古臭いのでしょうし、ヘーゲンだって、こりゃイニシエものってな印象かもしれませんね。90年代に61年リバイバルを使っていた自身には、55年前じゃなくて、30年前って印象。充分に古い話ですけどね。
感じ方が人それぞれだとしても、基本、マッスルスタイルが、現代ものでも同じように見えていることが大きな要因でしょうけど、デザインの意図というものではなくて、製造過程でのデザインということで、50年代のものはカクカクの印象が古さを強調する。
それ以前のモデルでは、大きなフェイスに高いホーゼル、それから薄いソールとか、コンセプトからして全く違った見え方なわけだし、特にアドレスした景色では、いわゆる手鍛冶の名残のコンベンショナルトウがはっきりした違いを見せてきます。
方や、自身の経験がそんな印象になると思うのですが、80年代のハイクラウン、ドロップヒールってなフェイスが三角定規のモデルにも、古臭さを感じることがあるなぁ。
ライトウェイト流行りの頃のモデルは、おしなべてそんなシルエットだったし、そんなモデルに、こりゃいいってな評判のモデルがなかった。
尖りトウのヒールの低い三角定規スタイルは、現代ではあまり見かけません。といっても、コンセプトは残っていて、同じハイクラウンにドロップヒールでも、トップラインにリーディングエッジとか、フトコロの作りなんかが進化して、三角定規には見えなくなりましたよね。
チョコレートに缶入りの飴玉。なんだかんだ言って、スーチャックの作りを見ている時間が長い最近だし、でも、VIPなんかを改めて見てみれば、全然古臭く感じない。この頃の10年の差はなんだべ、って思うと、見てくれの面取りの作業の違い、なぁんて単純に思ったのであります。
そんなテーマにして気がついたのは、実はVIPが…。