いいもの残してくれました!-Pen
大学時代、多分やっぱり珍しい方だったと思いますが授業のノートは万年筆でとっていました。中学の入試をして、合格祝いに親から貰った物と、それからいろんな機会に、やっぱり何げに親族から貰った物が何本かあり、ほとんど使わずにいました。きっかけは覚えていないのですが、大学に行くようになって、この万年筆を引っ張り出して、ほぼ毎日使うようになったのです。

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当時は利便性を考えて、カートリッジを使っていましたが、その補充品を買い求めるうち、スポイトも使えるモデルだったらしく、インクの色で遊ぼうと、ビンのインクもそろえてみました。基本はブルーですが、言ってみればラインマーカーの代わりに赤や緑のインクを使って書いたりしていたものです。

おかげさまで、大学の中間や期末の試験の時には知らないところで自身のノートが流通していて、驚いたこともあります。


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フランスのウォーターマンというブランドですが、そのうちの親に買ってもらった愛用の一品は中学でふとした不注意から紛失、というか誰かに持っていかれてしまい、残念な思いもしました。が、その後に自身で買ったやっぱり同じブランドのものが、現在でも最も愛用しているうちの一品です。30年近いですね。他にもいろんなブランドを自身のものとして手になじませてきましたが、ペン先のパラジウムは、きっと自身の書き癖にあわせて磨り減っていること間違いなく、やはりバランスや、すべり、何をとっても書きなれたものは全く違うものです。

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話しは飛んでしまいますが、これと同じ意味で、アイアンのソールの磨り減りも個人の癖を今に残しているものでしょうね。現在ではロフトやライの調整なんかは、モダン工房の気軽な入り口です。でも昔は、自身にとってはあのパワービルトユーザーの一言、SWなんてもんはコンクリーの上で素振りして、自分のスイングでクラブのソールを削るもんだ。刻印の文字が見えなくなって、そんで自分のもんになる、てな事を聞いてたもんですから、砂場で使って自然にかすれていくのを、これでいいんだよなぁ、って思っていました。
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齢を重ねていくと、今度はそんなところを機械で削っているのも目にするようになるし、詳しく見ていくとそれは全く意味の違うチューニングであると理解します。でもそんなチューニングも、ユーザーに合わせたもので、メーカーが熟考して職人さんが作ったものを改造するってことですよね。広い間口向けに作られたモノを、自身に合わせるといったほうがいいかな。そんなモデルも手元にたくさんあります。何かが自身にフィットせず、そんなチュ-ンをされたんでしょうが、ペン先と共通するのは、自然に磨り減っていったソール。
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古いモデルになればなるほど9Iに顕著なこの傾向は、長いことお仕事してきた道具たちに敬意を表する大きな要因でもあります。手元にするのはもちろん綺麗なものがいいわけですから、フェイスの球跡や、ソールにすり減りがあって、それが錆びてるなんてものは見向きされないこともあるんでしょうね。

自身も当初はその口でした。やっぱり綺麗なものがいいし、新品に近いものがいい。やがてそれが、ない物ねだりで、運良く出会ってもとても高額なことなど、手元にするべき条件が揃っていないことで見送ったものも数知れず。例えば、最近やってきてくれたオリジナルDXのセット。見事なソールの磨り減りです。何度もコメントしてしまうのですが、こんな状態のものを当時実際に目にしていたことで、DXそのものに対するイメージも良くなかったですし、あげるよって言われても、いわゆるお下がり、お古、って感じで、若いころは遠慮していました。本当は使っていた人の印象もあるんですけどね。

これもヘーゲンの59年でちょっと考え直させられたところなんです。あの傷は絶対に使い込まれたものではなく、ただ乱暴に扱っただけ。他のそんなかすれ傷を見てみると優しく扱われた印象のあるものだったり、道具として重用された形跡を感じさせるものだったり、いろんな見方が出来るものです。

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もちろん、自身のところへ来てからは、磨きもするし、なるべく綺麗にしようとするんですが、そんな長年の痕跡は自身が簡単に消せるものではありません。だもんで、そんな痕跡のある唯一のものとして、現われた逸品を、さらに自身のものとして使い込みながら、今までのメーカー、職人、は何を考えていたんだろうって。そこから、今度は前ユーザーを加えて愛でていく事にしようと思っています。そのものが、この世に生まれて過ごしてきた歳月、逸品のスパイスとして味わっていきましょう。

ちょっと辛いかも知れませんね。

こないだ、中華を食していて、真っ赤な唐辛子を飲み込んだら、しっくりが出ました。漫画の世界だけかと思っていたら、本当に内臓がびっくりするもんなんですね。