バブルの落し物の影響はとても大きいものでしたね。というか、ホーガンのメダリオンの作り、アンダーホーゼルという造作は、真似をしようにも限られたものにしか継承されなかったようですが、少し冷静に観察してみました。モダンに進化しているのは、シャフトの影響が大きいですよね。オリジナルM85で自身が体験し、あの感覚は、メダリオンにも匹敵しそうな一方の雄ともいえます。
いわゆる昔設計のヘッドに、新しい機能のシャフトって言うコンセプトが共通しているといえないかなぁ。同じ括りに945のモダンシャフトって言うのがありますが、これはヘッドの特性が、モダンシャフトとはいま一つ。どっちへ転んだほうがいいのか分かりませんが、もっと柔らかいシャフトにするのか、オリジナルどおりに硬いシャフトの重いものの方がいいのか、分かりません。
ワイスコフのパーソナルモデルも、実は、同じ興味だったのですが、クラシックヘッドにモダンシャフトって、やっぱり面白いんじゃないかって事です。
そんななかで、以前からいいなぁ、ほしいぁなってここで書き留めていたアシックスのアイアンが出てるよって、お知らせいただきました。幸いにも手元にすることが出来、メダリオンとは違う興奮を覚えながら、撫で回しています。頭の中では、VIP系のヘッドにモダンシャフトですものね。楽しみです。
これは現役当時に、その頃のゴルフ仲間のご友人がお使いだったモデル、だと思います。
というのは、今回手元に来てくれたのは0881というモデル。他にもこの海上信号のようなロゴをつけたモデルはプログラインドというモデルがあったらしく、この時のモデルはそっちだったかもしれません。何しろ、美しいモデルでした。そのご友人の方もいかにもセンスが良く、当時の一派、スコア至上主義の国産モデルユーザーと確実に一線を画していました。
そのライフスタイルすべてで、アシックスってセンスいいんだって、思い込んじゃう若者だったわけです。今的に言えば、セレブリティーマーケティングですね。著名人が看板となることが多いのですが、素敵なライフスタイルの持ち主に一般人が憧れて、その持ち物にも同じイメージを重ねる。もしくはその著名人と同じ持ち物で、そのスタイルを真似したい。例のデッキシューズに靴下履かないってやつです。本来は洋上で、潮をかぶってもデッキで滑らないシューズですから、当たり前のことだったんですけどね、マリーナに戻ると、びしょびしょだし、足だけ日焼けしないで真っ白のままなのがかっこ悪くて、ビーサンに履き替えるのが普通でした。
で、その手法にまんまと引っかかっていたのですが、当時このモデルを店舗で見かけることはほとんどなかったんです。
後発メーカーとしてハイグレードクラスにはなかなか入り込めなかったようで、御徒町ではやっすぅいレディースとか、ハーフセットバック付とか、そんなモデルが、アシックスとか、SSKとか、ゼットのモデルたちだったんですね。
今、資料で確認すると、プログラインドはバリエーションが少ないですが、0881モデルのほうはシャフトの品揃えが豊富で、ほぼオーダー感覚で販売されていた形跡があります。
そんな背景でこの手元に来たモデルを観察すると、なんだか結構いじられているような痕跡が残っています。
当時のものだと思いますが、ロフト、ライはいじられていそう。何本かのホーゼルにはジグが噛んだ跡じゃないかって言う薄い傷が見えます。
それから、ソールのリーディングエッジ。明確には分りませんが、全番手にわたって削られているようです。
でも、こうした加工がされると、そこだけメッキがはげているので、錆が出ていそうですが、全然浮いていないんですね。それだけ最近まで使用頻度が高かったのかなぁ。明らかに手触りで仕上げが荒いので、メーカー出荷状態ではなさそう。
昔は、こんな調整に加えて、トップエッジをシャープに削るのも流行りましたからね。
でもシャフトがX100とかじゃなくてR400のまま、すべてのシャフトに43.0ってドライバーの長さあわせのステッカーが張ってあるんで、純正のままなのかな。ということで、現状はメーカー出荷ものではなさそうだという理解で、先日レンジで打った印象を思い出してみます。
しかし、ここにもホーガンメダリオンの影響が出ています。今まではこの年式の基準になるのがペナやファウンダースだったのですが、メダリオンのイメージが強すぎて、自然にそっちと比べてしまいます。
一言で言ってしまうと、この頃のスタンダード、トウ側のウェイトが落とされて、引っ掛かりを意図的に押さえているところは、少し重いですが、ペナの301と似ています。
それと、いろんな資料では、ショートブレードとコメントされているのですが、バックデザインを見ていると、なんだか長く見えてしまいます。
でも、この頃のスタンダードと比較すれば短いんでしょうね。よく陥ってしまう目の錯覚かとも思いましたが、マクレガーの一連のモデルからすると、やっぱり長いです。
ペナのTP301と比較すると、長さはほぼ一緒なんですが、フェイスが低いためにかえって長く見え、ファウンダース200と並べると、ファウンダースのトウの尖り分だけ短くなっています。やっぱりそれほどのショートという程ではないように見えますが、時代の違いを考慮しておりませんのであしからずで。
レンジのマットではソールが研磨されている影響は全く分かりません。
3Iで39インチは特に違和感ない数字ですが、実際にアドレスして見ると、短いホーゼルの視覚バランスからか、すごく長いものを持った感覚になります。若干ロフトも立っているかもしれませんが、Xシャフトユーザー的な、ウルヴァリンロフトじゃないですね。
それからメダリオンやSSを振り回していた感覚からすると、よく言えばフェイスが包み込むような、斜めからいうと、掌というか、杓文字の様に拾うシェイプに見え、トウ側のフェイスが確実に内側向いています。この時代、そんな感じのモデルあったように記憶していますねぇ。
いずれにしても、マクレガー的に見れば、軽いモダンモデルで、扱いやすい素直な感覚。すぐにアラヨッて感覚ではありませんでしたが、使い込んでいけば、徐々に操作性も習得できる感じです。もちっとゆっくりと少しだけ、長い目で見てみます。
後発メーカーとして、入門者用ばかりのイメージを払拭するために、販売数が少ないであろうハイグレードクラスに、流通在庫ではなくオーダー制をとったのは当然です。それから、イメージを確立させるために、高橋勝成プロとの契約をして、80年代後半には、プロ・チラノとか言う、スクエア打法でしか打てない小難しいパーシモンも出しているようです。今出会えば、それはそれで打ってみたいモデルでもありますね。
反面、ステンレスにチタンを貼り付けた複合素材のレディースアイアンも当時の広告にありました。SSKやゼットと共に、バブル以降、早々にゴルフからは撤退されたようですが、オニツカタイガーが、こんなことまでやってのけた時代、いいものが造られたことも確かですし、奇をてらったなんじゃコリャもあったことは事実。
当時は絶対無理でしたが、この時代の落し物には、今の基準でも使用に耐えそうな、手にしてみたいと思わせるものがたくさん。フェイスのトウ側が内側向いているのはいいのかなぁ? まぁ、残ってさえいれば、それはいいものに違いないと思っています。