横文字の署名を、我々はパスポートの署名で人生初のサインとしてした事がありませんか。オリンピック観戦で、出入国カードにサインをしてる人がたくさんいるんでしょうね。なでしこはスウェーデンと引き分け。柔道は負けちゃったけど、なぜか女子モノだけが気になる今回のオリンピック。今夜も眠れなくなるのかな?
欧米では、シグナチャーと言えば、我々の印鑑証明つきの実印に自署の意味になりそうです。マクレガーばかり目にしていれば、いつの間にか、身の回りにはジャック・ニクラウスの署名ばかり。
我々の感覚で色紙にサイン下さいなって言うときは、オートグラフ頂戴って言います。実印的なフルネームの署名ではなくて、チロチロっと数こなせるように書けるトレードマークです。
ニクラウスの場合は、綺麗に読めるトレードマークとして直接的に結びつけた、ビジネスの成功例なんでしょう。
話は変わりますが、ニクラウスを初めて認識したのって、実はゴルフじゃありませんでした。大昔のゴールデンベアーのポロシャツ売り場。ケンタッキーのおじさんみたいにPOSとして、実物大のそっくりな人形が、ギラッと睨んでいたのが初めてでした。
軽井沢の千が滝西武で、祖母や叔母が、かわいい孫や甥に夏の記念として一枚買ってやろうと売り場に入っていくと、浅黒い大きな外人さんが、光るような金髪に、やたらと眼光鋭く睨んで立ってました。ちょっと恐い感じで、黒船を恐れた浦賀の人の気持ちが分かったもんです。トロイボロスや、パーマー、当時の流行はラコステにファーラーのパンツでしたので、ゴールデンベアーはアバダット的存在。ポロシャツというより、シャツ襟、もちっと若い感じが欲しかったんですが、細かいボーダーのシャツを、ありがたく頂戴しました。いまや千が滝の西武はないですね。駐車場のゴーカートを楽しみにしていたんですけどね。
さてさて、その実印の刻印されたニクラウスのモデルは、67年の271からのようです。VIPには75年くらいからジャック・ニクラウスと入っているようですが、イメージはやはり、ミュアフィールドですよね。271は限定的なものでしたし、VIPも昔日の面影無しのモデルでしたし、ビジネス路線にうまく乗ったこともあるでしょうが、今、見返してもミュアフィールドのイメージです。パーソナルウェッジにその面影の残った新品が出回っているようですが、手元にあるニクラウスの実印モデルを集めてみました。
で、やっぱり、ミュアフィールドからです。この際、お昼ご飯の確認サイン的なバイ・ニクラウスのVIPは置いときます。ミュアフィールドのイメージと言えば、モデル名よりも大きいサインですから、個人の名前とモデルのイメージを大活用したものですよね。
カタログにもパーソナルステートメント、いわゆる個人のご挨拶が堂々と掲載されているようです。ミュアフィールド、やっぱり綺麗なモデルです。ウッドのソールにも、きっちり刻まれています。
隣に90周年のターニークラシックを並べてみましたが、こちらにはタイプフェイスで名前が刻まれているだけ。4-5年しか変わらないのに、よく見ないと分からないくらいの扱いになってます。
次にこの実印に会ったのが、CG1800というモデルの2I、こちらは90周年モデルと同じ広告に掲載されていますよ。88年に登場したモデルのようです。資料からは重心距離を1.28インチから1.8インチとし、デカフェイスのキャビティ、ウッドなんかは、このモデルで全面メタルソールになってますね。本間と同じ頃になるのかな。ミュアフィールドも20周年が出た年ですから、トレードマーク大前面ですね。日本プロデュースと本国ラインアップの違いですかね。
その次の手元モデルは、埃だらけのJNP、ジャック・ニクラウス・パーソナルとされるメタルウッドです。ジャンボさんのメタルが流行りだした頃です。
ツアーバーナー的流行に天邪鬼が暴れて、シルエットがそっくりな11.5度ということで、ディスカウントショップでゲットしました。
しかぁし、この11.5度、大嘘です。ウッドのロフトの表示が、まちまちな時代でしたから、仕方ないんですが、今風に言うと9.5度くらい。ディープフェイスの表示は正しくて、今でもこれは打てません。
そして、横に並んでいるのは、マクレガーから離れたゴールデンベアーのN1のドライバーです。やはり実印的サインではなく、工業デザインになっています。ジャックのロフトって言う表示は、往時の945ウッドの9.5度だそうです。260ccで、当初は馬鹿でかいと思ってましたが、今見ると、違和感無いですね。ドライバーは、これを打ちこなす前に、当時妙にウィルソンのファイヤースティックシャフトに惹かれて、ホエールチタンを初めて手元にし、この後、何本かウィルソンに傾いていきました。
ついでに、バイロンネルソンの40年代と思しき259のサインと、50年代後半と思しき240のサイン、比べてみました。いくらかの違いはありますけど、変わってないですね。型に残されてなかったんで、改めてサイン書いてもらって、型取りしましたって感じの違いです。
もうひとつ、ベンクレンショウ。マクレガーのウェッジではデザイン化されています。さすがにメーカーが違います。でも、ウォルターヘーゲンモデルのサインも、基本は変わっていないですね。
ニクラウスのサイン物が自然と集まった背景って、もちろんマクレガーのビジネスに乗っかった、当時の自身がいたわけです。最近では死語ですが、家電のソニー神話みたいなものがあったと思います。
特にディスカウントショップには。店員さんもいませんし、物に対する信頼性とか、ロイヤリティーもあるかな。
二クラウス大好きって訳ではなく、プレーヤ・オブ・センチュリーとか、JNPモデルが並んでいてもスルーしてましたから、何でも良かったわけじゃありません。
今のブランド志向とは少し違って、ブランドを連呼、鼓舞するメーカーの声も届かず、自身の購入に当たっては、そのモデルやメーカーに対する経験則が最大の材料です。過去の製品の理解がある事、直接的に買って!買って!のメッセージがうるさくない事が、こうしたモデルを手元にすることになった大きな背景のように思います。
トムソーヤーですね、別に買ってくれなくてもいいんだけど、これ、いいよ、って言われて、楽しそうにペンキ塗りしてると、じゃぁ、替わろうかって、手を出しちゃうんですね。
モデルに刻まれた、実印ともいえるサインは、やっぱり性能や機能を保証する、信頼のサインでした。コブラのノーマン・シグナチャーモデルもそうでしたが、誰もそう言わないから、そう思うんですよ。メーカーがこういった内容の宣伝を電車の中刷りとかにしたら、例え新幹線の中の広告でも、何言ってんの今更、になっちゃうんです。どっかのメーカーさんがその昔、ゴルフクラブの広告を新幹線に出しましたって、自慢気にコメントされていたのを思い出します。難しいバランスです。
でもなぁ、つい最近、新聞の通販の広告で同じサインを見つけました。シニア向け高反発チタン、短尺、12.5度のロフトドライバー、飛びますよだって。ジャック・ニクラウスを知る人は、その世代になったって言う事なんですね。シャツなんかは、イトーヨーカ堂にコーナーがありますからねぇ。
サライを読む歳になったかぁ?