このM85に行く前に、手元に来るまで自分なりのストーリーがあるものが他にもあるんです。でも、今熱中しているエースモデルになっているので、どうしても前に出てきちゃうんですよね。自身、整理していく中でも、少しゴチャついてしまいますが、書き留めたくなっちゃいました。それから、一度の文章量には収まらないと思うので、長々ストーリーになっちゃいます。はじめにごめんなさいです。
手にしたのは古いクラブに特別の興味を持ちはじめて、しばらく経った頃、ですから結構最近です。名器の系譜も、キャプランのマクレガーの本もベッドサイドに置き、この世界の先輩諸氏のブログも読み漁り、英語の情報も翻訳機能を使って調べてみたり。とんでもない頭でっかちになっていた頃。アメリカの田舎に友人がいたので、ガレージ処分されそうなマクレガーがあったら、何でもいいから送ってくれと頼んでおいたら、ごそごそ送られてきた時期でもあります。
でもさすがに痛んでいるものも多く、また同様の興味の現地のバイヤーに、いいものだけ持っていかれてしまうことも多いようです。まずは、友人が振ってみて使えそうなもの、刻印が読み取れること、番手が2Iからあること。ウェッジまであると嬉しいな、なぁんて依頼をしていたら、TPのカラクロムやPT、SSのリセッシュドウェイト(同じくカラクロムですね)、M2Tやバイロンネルソンの259ターニーブレードなんてとんでもないものが手元に着きだしたんです。
こんなそうそうたるモデルが手元に来た後です。このM85の程度は、友人なら送ってこないようなものでした。ヘッドは黒錆、一番つらかったのはシャフトです。
銀地に黒文字のT.T.で名器の系譜によると50年から53年までのオリジナルです。ただし、えぐるような錆のある、振ったら危ない状態でした。この手の趣味ものにはよくあることですよね。
ラムのところで愚痴っちゃいましたが、これを最近の工房さんに持っていっても、相手にしてもらえなかったんですよね。定価表のリシャフト代の倍もらっても、使えるようになるかわかりませんとか、飾りにするなら相談に乗りますとか。まずはリシャフト、メッキ直し、デザインのマッチするセル、同じくグリップのレザ-…。課題が山のように出てきました。道具として手元に来たからには、使わなければ捨てたも同じというコンセプトです。でもしかし、あまりお金をかけずにという条件を出すと、工房さんたちは冷たい目で、例のコメントをするのでした。
レザ-グリップはやはりお好きな方がブログで公開されているのもあるようで、しかし、キャップだけを探して行き着いた、古くからの職人さんに、使うんだったらラバー、飾るんだったらお金をかけて、ってはっきり言われた(ほぼ説教)ものですから、その通りですねぇと方針変更。デザインが全く同じといって良い、ラムキンのパーマラップクラシックを発見、今では愛用品です。ロイヤルグリップでツートーンのものも在ったようで、ただ赤黒が欲しかったのですが、時既に遅し。ネットで手に入れた青黒を1セット使って見ました。一番上が最新のパーマラップ、実際に使ったもので、バックラインのあるものです。2番目がラムキンパーマラップクラシック。真中がロイヤルグリップの2トーン、この赤黒が欲しかったんですが・・・。その下がそのオリジナルのイメージ、えんじ色(今となっては?)と黒のツートーン、オリジナルレザー。一番下が50年代後半のオリジナルレザー。見た目のデザインは同じです。ただ、このラムキンは手汗や雨で濡れるとちょと”つるん”です。
セルは老舗のメーカーに直接問い合わせたり、海外のレプリカ品を調べたりいろいろしましたが、近所の卸屋さんで、長期在庫品をセール価格で揃えたり、でもネットの注意深い検索で当時のリシャフト用と思われるオリジナルを見つけました。使うためにはレジナンバーが残せないのは仕方無しです。使ったのは黄白黄のコンビ38mmの高さがあって、ペナスタイルと言うんだそうです。一番下は参考までに、前回のラムです。今時セルに近い愛想の無い黒で20mm、レジナンバーありません。
最近は仕上がりがオリジナルと比較になりませんが、老舗のセルメーカーさんから最終手段として使うしかないってレベルのクラシカルセルが発売されましたね。
みんなディメンションが少しずつ違います。実はこれも職人さんにほぼ説教レベルでご教授いただきましたが、セルなんか無くても大丈夫。これは飾りだから少しくらい割れてたり浮いていても全然気にしないで大丈夫だからということでした。ん~、折れやすくなるとか言って直しを勧める工房さんとは逆だよなぁ。シャフトの違いもあるんだろうか?でも飾りだからこそ、拘っちゃおっ!左3つが卸屋さん在庫品、高さが30mmに少し足りません。背の高い2個がネット獲得品の残り。最も背の高いものは40mmくらい、ウィルソンなんかののスルーボア用みたいです、外径が太めです。右端が老舗メーカーが最近出したものです。雰囲気はあるかもしれませんが、高さは32mm、デザインもちょっと繊細さが違うかなぁ。まぁ、オリジナルと並べなきゃわからないでしょう。
メッキ直しも、関西のメーカーに問い合わせてみました。ただし、磨き、メッキ直し、削った分のウェイト調整などなど、刻印は薄くなるし、1本の工賃で、自分の救済対象の10セット分ほどの見積もりになりました。もちろん、見送りです
グリップとセルを決め、またモダン工房巡り。ネットで調べたり、地方まで検索したり。結果、ネットビジネスを展開している大手は無理、若い職人さんも興味を持たない、オーナー工房の小さいところで興味を持ってもらえるところ、ということで近所の小さな工房に行き着きました。今や力強い味方です。
何でここまで意地になってたのか、今ではわかりませんが、せっかく残っているいいもの、なんとか道具としての目的を果たさせてやりたい。これが結果として一番の道具になってくれるんです。