ロシアによる不法占拠が続く北方領土への関心を高めようと、中学生が意見発表する「『北方領土に関する』全国スピーチコンテスト」が23日、東京都新宿区の日本青年館で開かれた。全国から選ばれた10人が、東京電力福島第1原発事故の影響による避難経験や北方四島の元島民との交流などを紹介。「問題解決の第一歩は、日本人が自分の領土に関心を持つこと」などと訴えた。
独立行政法人北方領土問題対策協会が主催。今回は昨年の約4千人を上回る約5千人から応募があった。
福島県川俣町立山木屋中学3年の佐藤拓夢(たくむ)さん(15)は「ふるさと」というテーマで発表。原発事故で仮設住宅などを転々とし、今も町に住むことができない現状を北方領土問題に重ね「同じ日本の領土でありながら、立ち入ることができない」と語った。
さらに東日本大震災や北方領土について「国民が関心を失っている」と指摘。「北方領土にも私のふるさとにも自由に行ける時代が来るように、若い世代が関心をもって取り組んでいかねばならない」と訴えた。
竹島を擁する島根県から参加した奥出雲町立横田中学3年の渡辺若菜さん(14)は、北方四島の元島民との交流で印象に残った「一日も早く故郷に帰りたい」という言葉を紹介。領土問題に関する日韓の広報活動には「大きな差がある」とし、「領土問題を抱える北海道と島根県が協力し、さらに大きな返還要求運動ができれば、全国の人々に領土問題について考えてもらうきっかけになるのではないか」と提案した。
最優秀賞にあたる内閣府特命担当大臣賞に選ばれた鳥取県南部町立法勝寺(ほっしょうじ)中学2年の内田涼葉(すずは)さん(14)は、日露が早期に話し合うことの必要性に触れ、「日本が平和的に解決しようとする姿は世界から好感を持たれ、他国との信頼関係を回復する絶好の機会になると思う」と話した。
