「上空から見る限り、仕留めたはずや」ケースケがキャノピーから下を覗いて言った。
その頃地上では新宿周辺の魔力が薄まっていくのをマサルが感じていた。
「多分、航空作戦は成功したでしょう」マサルがモトヒロに言った。
「ご苦労だった。しかし何人があのディメンジョン・ホールに飲まれたかわからない。悪魔に殺されたものもいるしな」モトヒロは作戦の先を考えていた。
「ケンスケ、お前、一度もディメンジョン・ホールに堕ちたことはないよな?」モトヒロがタブレットに見入っている副官に問う。
「ないです。噂ではいろいろな話を耳にしてますけど」ケンスケが言った。
「駐屯地についたら執務室で説明する。この任務をこなす上では知らなければならないことだが、ここやツイッター、フェイスブックやスカイプでできる話ではない」モトヒロが真剣な目で見つめている。上官からこんな目つきで見られたのはケンスケにとって初めてのことだった。
「さて、早速ディメンジョン・ホール……いや、魔界についての話をしよう」モトヒロが応接セットにケンスケを座らせ、テーブルの向かい側の椅子に腰掛け話し始めた。
「ディメンジョン・ホールは1960年代あたりから地上に現れては消えている。あのバミューダ・トライアングルがその代表格だと言われている。これは一般論だ」モトヒロは足を組んでふんぞり返っている。
「ええ、高校の地学で習いました」ケンスケは副官でありながらかなり深々と座っていた。(つづく)