「フリガンの特使だ。書簡を携えている」宮殿の扉をたたき、ユタカが言った。
「
何やねん?」執事のイナモ・ミシモヴィッチが現れた。ユタカは書簡の封印の蝋印を見せた。
「間違いない。こっちへ」イナモに案内されるとユタカはヤッヒー卿の前に通された。
「フリガン公モト卿に代わり、書簡を届けに来ました」ユタカは書簡を差し出した。
書簡を読むとヤッヒーの顔色が変わった。
「宮殿と城下の門を全て閉ざせ。籠城戦の準備だ!」ヤッヒーはそう命じるとイナモにユタカの治療を命じた。
「レッサーデーモンとタイマンしたから傷だらけだ」ユタカが言った。
「二体一はタイマンとは言わへん。タダの無茶なんちゃう」イナモがヤッヒーが調合した魔法の飲み薬をユタカに飲ませると傷がいくらか治った。
「ついでにハーブも吸っていく?」イナモが紙巻のハーブを見せる。
「それは結構」ユタカはそう言うと荷物をまとめ、いち早くフリガンの城へと帰ろうとした。
「今、行ったら危ないで。クロコダイル・リバーに落ちるかエルフの森で迷うかどっちかやん」イナモが引き止める。
「書簡を手渡したことで俺の仕事は終わった。できるだけ速く戻る」ユタカは乗ってきた大型の軍馬にまたがると闇夜へと消えて行った。(つづく)