第18話 爪跡
その頃フリー・コミューン騎士団連隊曹長のヨンデはゲットーにいた。ゲットーの奥で、剣で突き殺された遺体2体が見つかった。
ヨンデは雨の中、数人のリアカー引きの兵士を伴い、遺体を回収しにゲットーへと向かった。
ゲットーの住民の案内で、ヨンデは袋小路に連れて行かれた。
「この住民は信頼にたる人物か?」常に神経を使い、道を覚えながらヨンデは進んだ。
「ここです」住民が指刺した。血みどろの遺体と血の無い遺体が袋小路に転がっていた。
「この男が心臓をつかれたのは血を失ってかららしいな」本来一番血で汚れているはずの胸の傷跡から血が出ていないのを見て、ヨンデが言った。
「ヴぁ、ヴァンパイアっすか?」リアカー引きの兵士が言った。
「その可能性が高い」ヨンデが言った。
「ヴァンパイアはマリノスタウンにだけいる物だと思った」もう一人のリアカー引きの兵士が言った。
「ともかく教会にいるおくりびとの所に遺体を運び、弔ってもらわなければ悪霊が悪魔を呼ぶ」ヨンデが言った。
雨の中、兵士たちは遺体をリアカーに乗せ、遺体を教会に運んだ。
おくりびとによる供養の儀式が行われた。ヨンデと兵士はその儀式に立ち会った。
「言いにくいことですが、この血の無い遺体はヴァンパイアの餌食になったようです。首筋に噛み切られたと言って良いほどの傷がある。恐らくヴァンパイアはここから犠牲者の全ての血液を吸い取ったのでしょう」おくりびとが言った。
「ヴァンパイア?なぜ?誰が?」ヨンデは天候が回復したらモトヒロの城を訪れることにした。(つづく)