第104話 ヨウロウ・フォール
「何シケた顔して飲んでるんだと思ったらハトチャンさんではないですか」酔っ払ったミノルが店の隅で飲んでいたハトチャンに声をかけた。ハトチャンは2年前、レイソルがJ2の呪いをかけられた時にアルディージャに寝返った。
「あなたがいながらルーンを奪われるなんて、情けないですね」ミノルが言った。
「あんさん、ウチらに喧嘩をうっとるんか?」コータがビール瓶を構え、言った。
「やめろ、コータ。殴るだけ無駄や。こいつはそう言う奴なんや」ハトチャンがミノルとコータに割って入った。
「それに、ルーンの場所を知りながら、ここでただ待ちあぐねているだけの俺たちも悪い。明日にはここを出よう」ダイゴが言った。
「ほぉ、ルーンの現在位置、わかっているんですか」タダナリが言った。ダイゴは口が滑ったと思った。
「そこのオレンジと黄色の6人、騎士団長様からヨウロウ・ビールの差し入れです」同心のヨンチョルが言った。店の逆隅には黒いフードを被った男がいた。
「あれがカウンティーの騎士団長、モト・ヨカノヴィッチか?」タダナリが言った。
「そうや。魔族やから外に出る時は黒いフードが欠かせないんや」ハトチャンが言った。
「あ、メッセージカードがついています。黄色い側のリーダーに渡してくれとのことです」ヨンチョルがタダナリにメッセージカードを手渡した。メッセージカードには「東の勇者を集め、ガンバ氏族と戦う。東の者同士の結束が必要だ。アルディージャを頼む」と書いてあった。
「このビールのおごり主はアルディージャ、レイソルが共に朝をもたらすことを望んでいる。とりあえず、東の国に光をもたらそう。乾杯!」タダナリが言った。
「そ……やな」コータがビールを手に取り、乾杯の輪の中に加わった。6人の勇士が光を東に取り戻すことに合意した。モトはハトチャンに何かを耳打ちすると肩を1回叩いてヨウロウ・フォールから去って言った。
アルディージャとレイソルの6人は打ち解け、互いになぜ、光のルーンを追っているか語り合った。そして、光のルーンを取り返すことを優先事項にすることで合意した。
ハトチャンは翌朝、ワズヅミの雀卓会議にアルディージャとレイソルの6人で挨拶に行こうと言った。(つづく)