疲れにくい体になるためにとりたい成分
■抗酸化成分はこまめにとる
疲労の原因に活性酸素による酸化ストレス、いわば「体のサビ」が大きく
関わっている。
日中、仕事や運動をしているときには、どんどん活性酸素が発生して体が
サビている状態。
そのため、それに対抗する抗酸化成分をとると、疲れにくい体をつくる上で
力を発揮する。
抗酸化成分には、ビタミンA・C・Eをはじめ、コエンザイムQ10、カテキンや
アントシアニンといった各種ポリフェノールなど、さまざまな種類がある。
ただ、ポリフェノールは代謝が早く、効果が持続しにくいのでポリフェノールの
サプリメントなどを利用。
その場合、1回にたくさんとるよりも、1日数回に分けてこまめにとる方が
効果的だそうだ。
■抗酸化作用が持続するイミダペプチド
「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」で、さまざまな食品中に
含まれる抗疲労成分の効果を評価したところ、最も抗疲労効果が認められた
のは「イミダゾールジペプチド」(イミダペプチド)という成分だった。
このイミダペプチドは、鶏の胸肉などに多く含まれる抗酸化成分で、骨格筋や
脳で再合成されて、その場で抗酸化作用を発揮する。
そのため、他の抗酸化成分に比べて、酸化ストレスに対抗し続ける持続力が
高く、1日1回の摂取でも効果が期待できる。
渡り鳥が長時間、疲れずに飛び続けることができるのは、羽を動かす胸肉に
イミダペプチドが多く含まれているからだそうな。
「抗疲労プロジェクト」の検証実験結果から、1日当たり200mgのイミダペプチドを
最低2週間とり続けると抗疲労効果が現れ、4週間摂取すると75%の人が
疲労感の軽減を実感することが確かめられた。
体にサビをつけにくくする、疲れにくくするという意味で、イミダペプチドは朝・昼に
摂取するとより効果的だという。
1日200mgのイミダペプチドは、鶏胸肉100g・・・
鶏もも肉なら300g、ささみなら200gほどで摂取できる。
これ以外に、まぐろやかつおなどの回遊魚、豚肉や牛肉にもわずかながら
含まれているそうなので、これらから合わせて1日200mgとれればよい。
毎日、定量のイミダペプチドをとるには大変なので、サプリメントを利用する
のもいい。
■クエン酸に疲労回復効果
「抗疲労プロジェクト」では、イミダペプチド以外にクエン酸にも疲労回復効果が
あるそうだ。
クエン酸はエネルギーを作るサイクルの潤滑剤のような役割を担っており、
細胞がエネルギー不足に陥ったときに、クエン酸を増やして「クエン酸回路」を
活性化すると、再びエネルギーが産み出される。
したがって、特に、栄養不足の状態で激しい運動をするようなとき、クエン酸を
とると、「クエン酸回路」が短時間で活性化し、疲労軽減が期待できる。
クエン酸はレモンなどの柑橘類や、梅干し、酢など酸味のある食品に含まれる。
クエン酸で疲労を回復するなら、
レモンで1日2個、梅干しで1日2個、黒酢では1日大さじ1杯が目安だという。
しかし、クエン酸だけでは、エネルギー代謝は活性化しても、
疲れの原因となる活性酸素は防げない。
日頃から、疲れを感じる前に抗酸化成分とクエン酸を組み合わせて摂取し、
疲労を予防することが大切。
古い常識、誤った認識は捨て去ろう!
■栄養ドリンクを飲み過ぎると疲れがたまる
疲れたときについ手が伸びる栄養ドリンクやエナジードリンクだが、
栄養ドリンクは、そもそも日本が貧しくて栄養不足の時代に、脚気を
改善するためにビタミンB1を配合した栄養ドリンクが役立ったことから、
人気を集めた。
しかし、飽食の時代の今では、通常の食生活をしていれば、
わざわざ栄養ドリンクでビタミンB1を補給する必要はほとんどないそうだ。
タウリン配合の栄養ドリンクもあるが、タウリンは体内で必要量を合成できる
成分で、肝臓に働きかける作用があるが、疲労を軽減するという実証はないという。
栄養ドリンクやエナジードリンクには覚醒作用のあるカフェインと、気分を
高揚させる微量のアルコールが配合されていることが多い。
これらの作用により一時的に疲労が軽くようになったと感じるが、
日常的に栄養ドリンクなどを飲み続けるのは明らかにマイナスという。
なぜなら、本質的な疲労回復につながらない。これらの覚醒作用や高揚感が、
本来の疲労を覆い隠してしまい、見過ごしたまま、さらに疲労を重ねてしまう
危険性が高い。
栄養ドリンクは、一時的な目覚まし用と捉え、根本的に疲労をためない生活の
仕方を考え直そう。
■一部のアミノ酸はとりすぎに注意
人の筋肉を構成する必須アミノ酸のうち、バリン・ロイシン・イソロイシンという
3つのアミノ酸を総称した「BCAA」(分岐鎖アミノ酸)も、運動時の疲労回復に
効果があるとスポーツドリンクやサプリメントに配合されている。
スクワットや腕立て伏せなどの高強度のトレーニングや登山、ボクシングなど、
筋肉にダメージが及ぶような運動をしたときには、BCAAが消耗するので、
それを補うには意味があるという。
しかし、「抗疲労プロジェクト」の実験では、BCAAに上記のような運動以外の
長時間運動での疲労回復効果は期待できない
「甘いものを食べると疲れがとれる」といわれるが、これは本当だろうか。
動物は本能的に血糖値が低くなってくるとイライラし、血糖値が上がると
副交感神経優位になってイライラが鎮まる。
甘いものはすぐにエネルギーに変換され、血糖値を上げるので、イライラが
鎮まる。結果、ほっとして疲れがとれたような感覚になる
甘いものは癒し効果を得る意味では役立つが、これによって疲労が
解消されることはない。
(新聞記事より抜粋した)