わたしは子供の頃に手術歴があるのと、高齢出産ということもあり、万一何かあったときのことを考えて妊婦健診も分娩も大病院にお願いしました。
結局、手術歴も高齢も関係ない要因で緊急帝王切開になり、持ち場を離れて駆けつけてくれた大勢の医師や看護師の方々に赤ちゃんも母体も救っていただきました。
そして出産直後から、主治医を含め手術を担当してくれた医師のうち4人くらいが毎日1人ずつ病室に来て、「調子はどう?」的な気軽な感じで様子見もしてくれました。
その中で一番年長と思われる、50代くらいで俳優さんみたいに美形でダンディな男性医師は、「だいじょうぶ?お母さんが参っちゃうと赤ちゃんも参っちゃうから(無理しないでね)!」って励ましてくれたり、退室のときはいつも笑顔で手を振って「じゃあね~♪」と去っていきました。
入院中は母子同室で、泣き叫ぶ息子を全然うまくあやせず毎日落ち込んでいたので、優しさと軽い(というか軽やかな)ノリのおかげで私の心も軽くなり、ありがたかったです。
私も手を振り返しながら、話しやすい方だな~と思ってました。
が、ある日、その男性医師が、ほかの若い医師を5人くらい背後に従えて入室してきたとき、5人全員の緊張具合がすさまじくて、ビックリ。
男性医師はいつも通り朗らかに軽やかに話しかけてくれて、後ろの方々も一応笑顔なんですけど、目が全く笑ってないし、ほっぺたがめっちゃ引きつってる!!!無理してる!!!
この緊張感は……「白い巨塔」の「教授回診」だ!!!
この男性医師、患者には優しいけど、自分自身を含め医師にはめっちゃ厳しいんだ!!!
考えて見れば、そりゃそうですよね。
タフな職場じゃなかったら、緊急オペに対応できる人材があんなにたくさん育つわけないですもんね。
ちなみに男性医師はわたしのオペをした日にほかにも3件ほど、緊急対応した件があったそうです。まじでタフだ……。
お医者さんたちが、医師になるまでもなってからも日々努力し続けてくれるからこそ出産できたんだと、このとき改めて思いました。