麻酔から覚めたときには、そばに看護師さんが一人だけいて術後の私の状態を観察してくれているところでした。
さっきまで大勢のスタッフさんに囲まれて修羅場だったのが嘘みたいに静かで、出産した実感があまりなかったです。
もうお腹の中に赤ちゃんはいないんだと思うと、不思議な感じでした。
っていうか、赤ちゃんは!?大丈夫!?!?!?と思い、看護師さんに聞いたら、低めのテンションで、大丈夫ですよと教えてくれました。
……ほんとに!?って聞き返したくなるくらい低めでした。
それから数人のスタッフさんが出入りして、しばらくして私の血圧がだいぶ低くなってきたみたいで、スタッフさんにいつもこんなに低いですかと聞かれ、そんなことはないですと答えたら、結構焦った様子でほかの方(たぶん医師)に輸血が必要か相談をしていました。
私は、また修羅場……!?と思いましたが、「自分はもしかしたらこのまま死ぬのかもしれないけど、赤ちゃんが産まれたあとで良かった。死ぬとしたら、夫に遺言を残す時間はあるのだろうか。遺言内容どうしよう」と冷静に考えてもいました。ついさっき赤ちゃんの命が一時危ぶまれたことで、人の死は非日常なことではないと体感したからだと思います。
結局、医師の方が「輸血は必要ないでしょ」的な軽いノリで答えて、私の状態が悪化することもなく、第2の修羅場にはならずに済みました。良かった。
そのあと院内で待機してくれていた夫が来て、一緒に麻酔科医の方の説明を聞きました。
本来は手術前に全身麻酔の説明をして同意書に本人のサインをもらうところだけど、緊急だったので私ではなく夫がサインをしてくれたそうです。今ここで本人のサインが必要ということで寝たまま書きましたが、普通に書いたつもりがものすごくヘロヘロした筆跡になり、手術で体が弱っていることを実感しました。
そして、入院する病室に移動して、看護師さんが赤ちゃんを連れて来てくれて、ついに会うことができました。
予想通りとても小さくて細くて、予想通りとても可愛かったです。
私はこのとき麻酔が完全に覚めていなくてあまり話せませんでしたが、「お腹の中にいたのはあなたなんですね…私と似てないですね(夫そっくりでした)」って思っていました。
お腹の中で、命を肉眼で確認できないサイズから50㎝くらいにまで9ヶ月もかけて育てて、命がけで産むという貴重な経験をさせてもらいました。息子のおかげです。
今、生後4ヶ月の彼は体重7kgを超えて、いろんな意味で存在感がすごいです。
育児は楽あれば苦ありで、大泣きも何度したかわかりませんしこれからも沢山泣くでしょうが、息子を育てる毎日は、妊娠・出産以上にすごく幸せです。
今後のブログでは、育児のことや、妊娠・出産を経験して思ったことなど書くつもりです。