オペ室までダッシュで運んでもらっているとき、ほかのオペ室の前を何部屋か通り過ぎ、入口に「手術中」の赤い電光がついているのを見て、自分も手術するんだと実感がわいてきました。

 

私は小さい頃、外科手術を受けたことがあるんですが、小さかったので詳しいことは覚えていません。
大人になってから血や傷を見ると貧血を起こすようになり、採血はいつもベッドに寝た状態で受けています。子供の頃は何とも思わなかった外科手術にも、今ではとても怖いイメージを持ってます。なので、出産前は、万一帝王切開になったら致し方ないけど、めっちゃ怖いなあ~と思っていました。予定帝王切開だったら当日まですごく怯えていたと思いますが、とっても急だったので怯える暇がそんなになく、その.点はかえって良かったかもしれません。

 

オペ室に入って手術台に乗せてもらうと、天井に医療ドラマでよく見る、丸くてすごく強い光の照明があって、怖いけど逃げられない、私に選択肢はないと思いました。ベッド周りには10人かそれ以上の人が見えて、そのうち5人くらいの方が、ひとりずつ「よろしくお願いします!」とあいさつしてくれました。このオペのために、産科のほかの手術や、外来を担当していた医師の方々が駆けつけてくれたと後から聞きました。

 

手術の準備の処置は痛くって、痛い!!!って叫んでいたら、男性の方(たぶん医師)が、どこが痛い?体重は何キロ?と聞いて気を紛らわせてくれました。女性医師の方とも何かを話し、赤ちゃんは大丈夫ですか?と聞いたら、一瞬間が空いて、さっきの男性が赤ちゃん大丈夫ですよと言ってくれて、続いて女性医師も同じことを言ってくれました。

 

マスクで全身麻酔をかけられ、麻酔科医と思われる方に名前を呼ばれたので答えたら、まだ麻酔が効いていないことにすごく苦い顔をされて、薄れゆく意識の中で、よっぽど時間がないんだなと思いました。

 

意識がなくなる寸前、主治医の方が到着。外来の勤務中に呼び出されて駆けつけてくれたと、翌日聞きました。

若い女性の医師で、健診のときもそうでしたが、このときも冷静沈着でした。寝ている私の右側に立って、微笑みながら私の名前を呼んで自分の名前を名乗り、「びっくりしました」と、いつものように穏やかに言ってくれて、「私もびっくりしました」とつられて穏やかに答えたら、なんだか安心できました。

 

そして先生が微笑んだまま「赤ちゃん助けますね」と言ってくれたので、「お願いします」と言って無意識に右手で先生の背中あたりのオペ着をつかんだ次の瞬間、意識がなくなりました。

このときの先生、相当にかっこ良かったです。

 

 

次回に続きます。