ただいま全国劇場(とはいえ割とピンポイント)にて

Kバレエ「眠れる森の美女 in Cinema 」絶賛ロードショー中!ですっっっ!!




このところ老母の介護度がググンと上がり
外出が激ムズとなったワタクシ

福岡になんぞとても行けやしない、行けやしないよ……

という怨嗟あふれる状況なので

(皆様があげてくださった動画は堪能しました。ありがたや~)

せめてさあ、映画くらいさあ、行かせてよう~
とばかりに出かけてまいりました。


私はコテコテの古典バレエ好きであり
とりわけ「眠れる森の美女」と「白鳥の湖」が大大大大好き!

なので

「よ~し久々にコテコテするぞぉ☆」

と、鼻息荒くしておりました。


……こう書くと、ご覧になった方はお分かりですね?

私が事前情報まったく無しで上映に臨んだということを…!

熊川哲也氏が


「典型的な古典を夢見る人は、この舞台を見ないほうがいい」



発言していたなど知る由もなかったことを……!!←鑑賞後にチラシで知った(遅)




要は熊川さん、ストーリーをだいぶ改変してたんですよ。けっこう大胆に。

もっともこの方は
古典バレエや先人達へのリスペクトをしっかりお持ちなので

作品の格調高さは損なわれておらず
見せ場の踊り等おさえててほしいツボは外してなかったせいで、落胆はありませんでした。

ただ若干の戸惑いはやはりね…


改変ポイント挙げつつ
ざっくりストーリー追うと

*以降ネタバレ注意*



オーロラ姫誕生の祝宴に呼ばれず腹を立てた悪役カラボスは

お城に乱入してオーロラ姫に悪さをしようとしたところ

リラの精によって杖に封じ込められたので←new!

(本来であれば終幕の賑やかし要員にすぎない)赤ずきんちゃんに呪いをかけて手下にしたり←斬新new!

デジレ王子にも呪いをかけて
彼自身の手でオーロラ姫を殺すよう仕向けます←衝撃new!

実際はリラの精のおかげでオーロラ、死にはしませんが

何せ王子は殺人未遂したんだから
そりゃ謝罪シーンは必要でしょ、ってことで(?)
リラの精の見せた
夢うつつの世界でオーロラ姫に許しを乞うデジレ王子←new!

それから改めて悪役と王子の対決

からの勝利

からの大団円。おわり←実に雑




王子と姫が同世代で
お互い既に好意があった、ってのも非オリジナルですが
そのへんはディズニー映画による既視感あり。

(まあね、面識のない100歳も年上の姫をわざわざ助けに行く…というオリジナルストーリーの方がむしろ不自然だからね)


やっぱり衝撃というなら
デジレ王子の手でオーロラ姫が殺されかける展開ですかね。

おとぎ話の王子が
たいていポンコツ揃いな中

「眠れる森の美女」の王子は、まだしも甲斐性あるほうだったのに

よりによって姫を殺しかけるとか
キングオブポンコツやん、と思ってしまった(笑)

殺されかけた相手にいくら謝られても私なら許せないし

親の立場だったなら娘婿に対して信頼感ゼ~ロ~。

結婚なんてあり得んわ~

何でこんな展開にしたんだろうな???

ただし王子がこんな非道しちゃったがために

ほぼ「白鳥の湖」ばりのじっくり謝罪シーンが挿入された結果

群舞の見せ場ができましたけどね。

いやホントに「演目間違えたかしら?」みたいな白鳥の湖感でしたが
情景は素敵でした。


白鳥の湖……ジークフリートがオデットに「ごめーん間違えてオディールにプロポーズしちゃって!!!だって君とそっくりだったからさぁ~」


熊川版新作眠れる森の美女…デジレ王子がオーロラ姫に「ごめーん殺しかけちゃって!!!だって呪いかけられちゃってさぁ~」



って、両方ともアレだけど、デジレ王子の方がよりヤバくない???



 

…なんだかんだ好き勝手に書き散らしましたが

結論としては古典好きでも充分楽しめましたよ!

個人的な感想として
もしも群舞シーンを入れたかったがゆえに王子のオーロラ殺しルートとなったのであれば
も少し別ルートを考えてほしかったと思うけれど

改変した以上
こんなふうに必ず賛否が起こるもの。

けれど「あえて」挑戦することに気概を感じます

早い話が
何がウケるかなんて
やってみなけりゃ分からない。

時代は流れ続けているのに、冒険しなくてどうする
何事も試さないことには前進なし、ですよね。

古典をやり尽くしてからの改変ムーブ、ってのは全然悪いことじゃない。

(もちろん古典へのリスペクトは必須だし、コテコテ古典作品はそれはそれとして演じてもらいたいです)

シネマバレエってのも時代ですよね。

今時はもちろん配信なんかもあり更に便利ですが
けっきょく家にいても時間を作れないことが多々あるので

集中できる数時間を買うという意味で
劇場公開という方法は
今のわたし的にちょうどいい。
スクリーン大きいのもGOOD(^^)d。

そもそも熊川さんの舞台の作り込み方って
映像と相性いいと思うんですよね

熊川作品の舞台鑑賞すると、まさに映画を観ているようだ、と感じることが多かったので。


それにしても熊川哲也氏、もうすぐ52歳ですってよ?(時の流れの速さときたら…)

まだ少人数でKバレエを旗揚げした頃から
リアルタイムで細々応援してきましたが
つくづく大所帯になりましたねえ凄いな。

当初から
ダンサーの地位の底上げや
バレエの普及(観る側も踊る側も)に努め

「スターである自分が踊らなければじっさい客入りが悪い」

という頭の痛い問題があった時期も切り抜け

次世代を育てるための本格的なスクール作ったり
素人向けお教室だって開いたり

表現者としての理想追及と

避けては通れないお金という現実にもガッツリ向き合いつつ
精力的に活動してるの見ていたら


何かこう…重なっちゃうわー(笑)





私はDさんの滑りが何よりも好きで

ホント1日でも長く
パフォーマンスを魅せてほしいけれど




彼もずっと昔から
フィギュアスケート界の将来について
心を砕いてきたので

現役引退した今こそ
高橋大輔の意思を受け継ぐ若い世代や
その受け皿のことを
あれこれ考えてプロデュースに力を入れてるんだろうな。

フィギュアスケートの場合、バレエと違ってアマとプロがあるから

ゆるファンにはうかがいしれない面倒な縛りがありそうで

そのへん大丈夫かしら~?と心配になるけど

とりあえず楽しみながら←ここがいちばん大事だと思う!

頑張ってほしいです。





んーしかしホント
推し活ってのは
時間と体力に加え
精神的金銭的余裕だって必要ですねぇ

今の自分の生活ではなかなか思うに任せません
人生そんな時期もあるからしょうがないけどー

つくづく「推しは推せる時に推しておけ」です。

あー現地行きたいなぁヤレヤレ┐(´д`)┌







そうそう、いつかまた2人の対談とか見たいものです。