心地好い秋晴れとなった昨日の土曜日
兵庫県立芸術文化センターへ
シュツットガルト・バレエ団の「白鳥の湖」を観に行ってまいりましたよ。
ドイツのバレエ団ってテディ、
ピーッ歳にして初めてだったからとても楽しみにしていたのよ。
実は兵庫県立芸術文化センターも初めてだった私。
駅からのアクセスが良く便利なホールでした。
ただ、途中スポーツクラブがあり
何気なく視線をやれば
ガラスの向こうで一所懸命走ってる人たちとバッチリ目が合うのは
自分だったなら恥ずかしくて嫌だなと思ったんだけど
もう慣れてらっしゃるんですかね?
頑張ってる姿を見られてむしろ快感だったりするの??
うーん、私なら通りに面してガラス張りのスポーツクラブには行きたくないかなぁ~…
…って、しょっぱなから無駄話全開となってしまひますた。
閑話休題。
兵庫県立芸術文化センターは、指揮者の佐渡裕さんが芸術監督を務めてらっしゃるんですってー
休憩中には外の風に当たることも出来ます♪
で、肝心の公演の感想はというと
プチハプニングがちょろちょろ、って印象。
私のバレエ鑑賞、2018年はこれが最後の予定だったんですけど
それにしてはピリッとしない終わり方になったようなー…
いや、そんな悪くなかったし楽しめたんですけどね。
何がハプニングかといいますと
まず客席に
たまに奇声を上げる人がいらっしゃいまして~(汗)※小さな子供ではない明らかに大人の声
このホール、音響いいのか反響よすぎというんだか
その人の独り言?までけっこう拾っちゃってぇぇ~(汗)(汗)
間断なく、って訳じゃなく時折であってもビクッと驚いてしまい
舞台の世界観から一気に現実に引き戻されるのに困ったんですよね…
ダンサーも集中力そがれると思うし。
最初の休憩が終わって次の幕からは静かになったので
事情は知らねど
どうやら適切な対応がなされたようでホッとしました。
バレエの世界にどっぷり浸りに来たというのに
奇声はやっぱり困るので…(;´Д`)
(こうした経験も初めてだったよ)
それから町娘の踊りの時、
スッテーンと尻餅ついたダンサーがいたのね。
よろけるのはよくあることながら
こける、を上回る尻餅を見たのは初めてだったので
かなりドギマギしてしまった。
オペラグラスで覗いていたため、突然フレームインしてきたそれは
ほんの一瞬の出来事。
今となっては幻のような気さえする(遠い目)
後は第三幕、黒鳥の誘惑の踊りのラストがなんともしまらなかったというか
ぶっちゃけグダグダになっちまってたわ…
これは演奏のせいも大きいかもしれない。
この曲、だんだん音が弱くなってゆき
余韻を残しつつしっとり静かに終わるものだけど
どうも音が…(汗)
綺麗にうまく尻すぼみになってゆかず(弱い音が難しいのは分かるけどぉ~)
聴いてる方が
あららこらら…着地点はどこに?(汗)とか心配するうちに
ラストの決めポーズで仰向けの体勢を取ったらしき王子が「ゴンッ」って音を立て
その瞬間、会場からは
ご婦人の「ひっ…!」っていう小さな悲鳴が聴こえたので
もしかしたら王子様、頭かどこか打ったのかもしれない(汗)(汗)
私の席からだと
ちょうどオディールの姿にがっつり隠れてて全く見えなかったんだけどね。
音楽のタイミングが変だったから、吉本ばりに「ズコーッ」ってなったんやろか。
(不穏な音の方に気を取られ、演奏の最後の一音が無事奏でられたかは覚えていない)
こういう事態が起こるから
慣れた自前のオーケストラ連れて来るバレエ団があるのかしらね(この日は日本の楽団でした)…と思った土曜日の午後。
とはいえ
名前で会場を満席に出来るバレエ団じゃないとそれも難しそうである。
素人目にもモロバレな失敗って
たいがい一公演に一つくらいだけど
それでさえ失敗って尾を引きがちだから
この日の公演は
奇声の件もあってハプニング感が増してしまった。
勿論これはダンサーのせいではないし、もしかしたら本当に集中力そがれたのかもしれない。
某ダンサー(※主役じゃないです)のパ・ド・ドゥには
妙なたどたどしさを感じてしまったし。
何だろう、プロのダンサー相手にかつてないこの感覚は。
過緊張かとも考えましたが駆け出しの若手ダンサーではなかったのよ。
まんいち客席ハプニングのせいでコンディション乱されたのならばお気の毒、
でもねえ客の立場としては…と残るモヤモヤ。
ロットバルトの
(暗い森のシーンではゴージャスな羽根付き兜かぶっていたのに
よりによって明るい舞踏会シーンで禿…ゲフンゲフン)←さすがに頭頂部には触れてやるなよ
「踊りも音楽も衣装も美術も全てが完璧!」
なんて鳥肌が立つ舞台には
長い人生のうちでさえ
そうそうお目にかかれるものではなく
(名舞台と呼ばれるものならDVDとか探した方が早いはず)
良い時も悪い時もある
それが生の舞台だよ
だからこそ「良い瞬間」を求めて人はせっせと舞台に通うのだ、ってところではあるんだろうけど。
あ、イマイチな点ばかりじゃ何なので良かったところも。
王子役のフリーデマン・フォーゲルくんがなかなかの王子様っぷりでした。
どこかランビ様を思わせるような優雅さと、ほどよい優男感。
女性のサポートが上手だった気がします。
イケメンは大事だよね!ホントに大事!!(力説)
オデット&オディール役のアリシア・アマトリアンは
白鳥の方がはまってるように感じました。
お楽しみのひとつ、衣装はね~
第一幕の町娘たちはややモダンな雰囲気
王子の母親をはじめとする貴婦人方はいかにもなエリザベスカラーで
一気にブリティッシュ感が跳ね上がったものの
ゴージャスかつ貫禄を感じさせる佇まいで良かった。
ナポリから来た侍女たちは
ホバークラフトのような面白い移動の仕方だったので
足元はどうなっているのかな?
なんて興味津々。
ちなみに振付が
信頼と実績(?)のプティパ(&イワノフ)バージョンではなく
ジョン・クランコで私はクランコ版初見。
そのため
「あれ?こんな曲『白鳥の湖』にあったかな??」
と首をかしげる聞き覚えのない音楽が流れたり
見慣れないシーンがちょこちょこあったりと新鮮ではありました。
好きかどうかは置いといてネ(笑)
基本的に私はザツなので細かいところまでは覚えていないし←(どれだけ観ても覚えられない残念なトリ頭)
見慣れたバージョンと多少違ってても気にはならない。
のですが
ラストシーンはドヨンと心が暗くなったわ。
「白鳥の湖」には
ロットバルトを倒し、現世で結ばれる完全ハッピーエンドバージョンや
オデットとジークフリート共に倒れながらも来世で結ばれるバージョン等、複数あるラストにおいて
クランコ版では
王子だけが死んでオデットたち白鳥はそのまま…
という、バッドもバッドなエンディングだったものだから。
しかし
王子は実際オデットを裏切ったのだから因果応報といえなくもないので
これもありっちゃありかもしれませんね。
「白鳥の湖」って元々はバッドエンディングで
ハッピーエンド版は後年はじめたものらしいし。
(私はね、オデットとジークフリートは死んじゃうけれど
強い愛の力で呪いが解け、侍女たちが人間に戻る、ってラストが儚く美しくて大好きよ!)
余談ながら近年
「グランフェッテ時に起こる手拍子問題」に関して
ひそかに悩んでいた(?)私でしたが
今回めずらしいことに手拍子が起こりませんでした。
黒鳥、じゃっかんパワー不足気味な踊りだったとはいえ
正直に言えば「このレベルで手拍子してあげるの?」的な(別公演の)踊りでも手拍子が湧いていたことを思い出せば
アマトリアンに問題があった訳ではなさそうなので
兵庫県では手拍子しない習慣なんでしょうかね???←テキトー
ともあれ
「やっぱり手拍子ない方が観やすいよ!」
と思った私なのでした。
この日の公演、いろいろと「噛み合ってない」ところがあったけれど
なんだかんだ言ってもバレエは綺麗でいいわぁ。
美ポジの連続に目が喜ぶ。
腕の表現が多彩でとにかく美しく…眺めてて飽きないしね。
年内にもう一度くらいバレエ観たくなってしまいましたが~…
全日本選手権に行けるなら、今はそっちに時間を割きたい(笑)
休憩中
ビュッフェにボジョレー・ヌーボーがあったから
今年初めて飲んでみましたよ。
特別好きって訳ではないのに
見かけると頼んでしまうのは右に倣えな日本人の性だろうか。