冬の朝。

外はまだ薄暗く、気温はマイナス。

空気を吸うだけで鼻の奥が痛いレベル。


しかし、その時間に——

すでに動き出している女がいた。


そう、ベア子である。



🧣 マフラーぐるぐるのママチャリ通勤


ベア子は、顔の半分が見えなくなるほど

マフラーをぐるぐる巻きにして、

キンキンに冷えたママチャリを漕ぎはじめる。


車輪からは

「キュッ…キュッ…」

と、冬特有の乾いた音がする。


息は白い。

顔は真っ赤。

でも彼女は迷わず進む。


なぜこんな早朝に?


理由はただひとつ。



🥐 “パン屋の焼きたてパンを会社で食べるため”


通勤ルートの途中にある、

開店が早いパン屋。


冬の朝だけは、ここがベア子の心のオアシス。


店から立ちのぼる湯気とパンの香りに吸い寄せられるように、

ベア子はドアを開ける。


買うパンは決まっている。


・甘い系(腹持ちがいい)

・大きいもの(コスパがいい)

・焼きたて(温かい)


これらの条件を満たすものだ。



🧸 そして会社へ直行


ベア子はパンの袋を大事そうに抱え、

またママチャリを漕ぎ出す。


向かう先は暖房がしっかり効いた会社。


そして到着した頃には——

まだ 朝7時半。


会社のドアを開けると、

暖かい空気がふわっと全身を包む。


ベア子はその瞬間、

小さくこうつぶやくのだ。


「あ〜…天国……♡」



☕️ ひとり優雅な“会社モーニング”


誰もいない静かなオフィスで

パンを広げるベア子。


暖かい室内で、焼きたてパンを頬張りながら

ゆっくり朝時間を過ごす。


この“会社でぬくぬく朝食”こそ、

ベア子が冬を生き抜くための大事な儀式だった。