仕事は終わっている。
完全に終わっている。
誰が見ても終わっている。
だけどベア子は、
パソコンの画面を眺めている。
18時になっても、19時になっても
なぜか、そこにいる。
誰かが帰り際に声をかける。
「ベア子、まだいたの?」
すると彼女は必ずこう言うのだ。
「いや〜、ちょっと資料がさぁ〜」
と言いながら、机の上に広げているのは
昨日のコンビニのレシートだった。
暖房代を節約し、
ひとりで静かに頑張っているような
そんな人間臭さがあるベア子
そんなベア子を同僚達はそっと見守っている。
ただし、
誰かの厚意を利用して“得をする才能”だけは、
誰よりも天才的なベア子。
後々 同僚の優しさもベア子は利用していくのである。
