PITTI UOMO 94 続報
先週の土曜日に無事帰国しました。
今回はフィレンツェ→ナポリ→ミラノ→ロンドンと4都市を13日間で回りました。
ナポリでは仕事の合間に半日だけイスキア島に行けて、少しだけ夏のリゾートの雰囲気を味わいました。
リゾートスタイルがトレンドでもあるので、夏のリゾートスタイルを体験できるのは貴重な時間です。
ナポリのボスはボート(クルーザー)の上でもカラフルなスイムパンツにロングスリーブの白シャツですからね。
こういうのを現地で見ると、麻のワンピースカラ―やカプリシャツと言うものも更にリアリティーが増すものです。
まあ、日本の夏とは湿度が違うので全く同じようにはいきませんが、リゾートスタイルやリラックス スタイルを提案するうえでは凄く参考になります。
今回の出張は移動も多くブログをアップする時間も少なかったので、現地でアップできなかったPITTI UOMOの続報です。
LUIGI BORELLI
ルイジボレッリはブランドの特性上、特に新しいスタイルやアイテムを積極的に打ち出している訳ではありませんが、ブースを見れば誰もがわかる明確な色の提案が印象的でした。
今回はイエローとオレンジとブルーの3色をフィーチャーし、それを定番のベージュやブラウンと合わせる打ち出しでした。
オレンジとイエローは今年の秋冬のトレンドカラーでもあるので、ある意味秋冬から継続した流れであるとも言えます。
ボレッリもスエードのアウターを提案していました。
オレンジやブルーのキレイなカラーのスエードが印象的。
ラグジュアリーブランドらしいオトナのリゾートウェアの提案ですね。
ERNESTO
エルネストも他のブランド同様にストライプのジャケットをメインにした打ち出しでした。
今回のPITTIは本当にストライプのジャケットの提案が多かったです。
下段の生成りにネイビーとレッドのストライプが個人的には刺さりました。
コレクション全体を見ると秋冬っぽい重めのトーンの生地が多いので、もう少し春夏らしい明るめのトーンのハリエーションが欲しいところです。
その点はリクエスト済みなので、最終日本の展示会でチェックしてオーダーする予定です。
ORIAN
オリアンも今回はプリント推しでした。
今回のPITTIは ”プリントシャツを打ち出していないブランドは無い” と言っていいほどプリントのシャツだらけでした。
ディスプレイの見せ方もプリントの柄を見せるためのように見えます。
これだけプリントのシャツが多くなると、色柄のチョイスはもちろん、それをどんな襟型やモデルに落し込むかが重要になってくると思います。
でも、そこまで考えているイタリアのブランドって結構少ないものなんです・・・
EREDI CHIARINI
エレディ キャリー二のネクタイは個人的にも好きなブランドなので、毎シーズンコレクションを見るのが楽しみです。
今回は他のブランド同様にレッドやイエローやグリーン、ピンク系など、発色の良いカラ-が打ち出されていました。
同じカラ―を打ち出していても色のトーンが違うのがこのブランドの特徴。
今回もカラーの打ち出しは同じものの、色柄ともにどのブランドとも似ていない独特の世界観でした。
フィレンツェのブランドですが、色使いは80年代のパリっぽい雰囲気が感じられます。
オーダーは日本で行うのでフルコレクションを見るのが楽しみです。
DRAKE`S
ドレイクスのネクタイも明るくキレイなトーンの打ち出し。
ドレイクスはここ数年トータル化を進めているので、PITTIのブースもネクタイだけでなく、ジャケットやスーツ、シャツ等を積極的にディスプレイで打ち出しています。
因みに、シャツは数年前に英国の某シャツブランドを買収したので自社工場で生産していることになります。
スーツ、ジャケットは北イタリアのフル毛芯の本格的なテーラードで有名なファクトリーで作っています。
ストライプのジャケット、シアサッカーのスーツ、ボールドストライプのシャツなど、他のブランドでも多く見られたトレンドを取り入れていますが、イタリアブランドのそれとは違うドレイクス独自の世界観が感じられます。
英国人による英国ブランドですが、アメリカやイタリアのテイストも取り込んだ、”新しい世代の英国ブランド” というイメージが強く感じられます。
古き良き時代の英国が好きな方には理解できないかもしれませんが、これも時代性だと思います。
英国の若い世代の人達は自国の歴史に敬意を示しつつも、広い視野を持って新しいモノやスタイルを作り出していくパワーをもった人達が今後更に増えていくと思います。
ドレイクスはブランドの創設者のマイケル ドレイク自身が、英国人でありながら創業当時からイタリアやフランスや日本に目を向けてコレクションを作っていたので、その遺伝子を現在のクリエイティブディレクターであるマイケル ヒルが受け継ぎ、進化させて現在に至っているとも考えられます。
クラシックな英国に拘る人には、最後のカラフィルなエスパドリーユが最も理解できないでしょうね。(笑)
でも、これも英国ブランドの新しい流れなんです。
温かい目で見守ってあげてください。
来週からは日本の展示会が始まります。
現地で流れはしっかり掴んできたので、後はどのように組み立てていくかですね。
トレンドも単純に何でも取り入れるのではなく、BEAMSらしい打ち出しができるように考えながら、取り入れるべきモノとそうでないモノを判断しなければなりません。
そして、トレンドとは別のモノは古臭くならないようにアップデートして行かなければなりません。
”ゆっくり変化していく小さな流れ” こ れをしっかりとらえて行くことが実は重要なのです。