私は20年くらい前に、石の芸術品(彫刻品)のオークションのアルバイトをしたことがあります。
石の彫刻品を手に持って、買いたい人に見せて歩くというものです。
それを見たお客さんが、「〇円!」と叫びあって、
一番高い値を言った人が買える(落札する)という仕組みです。
これが、簡単な仕事かと思いきや、
結構大変でした。
なぜなら石の重量が重いからです。
そして重いだけではなく、
お客さんに見えるように、頭の上に高々と石を上げつつ
優雅な足取りで、笑顔で歩かないとならないので、
それがつらいのです。
また石は一つではなく、20個以上ありました。
それを毎回持って、笑顔でステージ上を歩くのは
めちゃくちゃ大変でした。
そのバイトは私だけではなく、20代の女性があと二人いて、
その女性たちと交代で行ったのですが、
私もふくめ、「重い、重すぎる・・・。」と感じつつ
3人とも、必死で頑張りました。
ちなみに3人は、プロレス経験者や
柔道経験者ではありません。
普通の体型の人達でした。
オークション中に誤って石を落とした日には、
大変なことになるので、笑顔を顔に張り付けつつ
石を丁寧に扱いつつも、
内心、「落とすな、自分!」と必死でした。
最後の方には、高く上げた手がプルプル震えてきて
限界・・・と思ったこともありました。
何とかオークションが終わったのですが、
舞台から降りたところで、主催者のおじさんが、
私たちに向かって一言、
「あんな重い物を、笑顔で持ち上げられるなんて、君達おかしいね!」
あのなー、あなたが依頼したから、頑張って持ったんでしょ。
と思いつつ、
終わった安堵感もあり、笑ってしまいました。




