先日、都内の某電気屋で買い物をしていたら、トイレの隣にこんな英語の掲示がありました。
思わず、ちょっと笑ってしまいました。

どこがヘンか、お分かりでしょうか?
この英語を和訳すると、
「ちょっとお願いがあるのですが、いいですか?
未確認の商品を(店に)持ってくるのはご遠慮ください!」
になります・・・・。
ここでの注意点は、
May I ask a favor?は、
会話で何かお願い事をしたいときに使う、遠慮がちな前置き表現
だと覚えておいてください。
「ちょっとお願いがあるんだけど・・・」というニュアンスです。
A: John, may I ask a favor?
B: Sure. What is it?
A: Could you take a look at my presentation slides? I'd like some feedback.
B: Of course. Let's see...
という感じで使います。
また、掲示の後半部分も、注意点があります。
bring自体はいいのですが、それだけだと「持ってくる、持っていく」という意味になります。
ここでは、bring A into B(AをBの中に持っていく)の形で使うのがベターです。
また、bringよりもさらにベターなのは、「持ち込む」という意味があるtakeを使うこと。
その他にも、「未会計商品」をunchecked goodsにするのはちょっと曖昧なので、もっと明確なunpaid merchandiseに。
という訳で、僕が英文校閲するなら、元の英語をこう直します。
<元の英語>
May I ask a favor. Please refrain from bringing unchecked goods!
↓
<修正案>
①(和文に忠実)Dear Customers: Please do not take unpaid merchandise into the restroom.
②(ちょっと発想変えて) No unpaid merchandise allowed in restrooms.
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町を歩いていると、「あ~、やっちゃったなぁ・・・」という英語を結構よく見かけます。
読者の方には、なるべく同じようなミスはしてほしくないので、随時、取り上げていきたいと思います。
山田暢彦