もう会社はないけど
私が小学校高学年の時
父は脱サラして
会社を立ち上げた
土方というジャンルなのかな
下請けの下請けの下請けみたいな
お金が欲しくて
家族のため
少しでも稼げるようにと独立したんだと思う
自分の力も試したかったのだろう
母はそれを支えるため
床屋しながら事務をした
元々忙しかった両親が
倍ぐらい忙しくなった
小屋兼事務所に貼ってあった
社訓みたいなやつ
(多分父が好きな文なんだろう)
(働いてた人は誰も見ていなかった)
一文だけ
ずっと私の心にある
「生産性無き者は静かに去れ」
これを私は背負いながら生きてきたように思う
この家にいる以上は
役に立つ人間でなければならない
親も一生懸命だった
私も
ある意味
一生懸命だった
この家で生きるために
すてられないように