あの日。
徹夜明けでいつもより遅く家を出て
いつもと違うルートで職場に向かっていました。
降りる一つ前の駅に着くと
先頭車両の運転席の壁に寄りかかって立っていた私の耳に
無線の声が飛び込んできました。
その少し早口な口調からは
何かわからないけれど異常事態であることだけが伝わってくる。
電車は止まったまま。
でも…
スマホのない時代。
乗客たちには情報を得る手立てなどなく
誰もが静かに電車が動き出すのを待っているだけ。
いつものように。
よくあることだから…。
無線が聞こえていた私でさえ
これ以上遅れることのほうが気がかりで
どれくらい電車が止まっていたのかも
その後職場に着くまで何を考えていたかも
全然覚えていませんでした。
上川法相が読み上げた罪状。
長かったです。
どれだけの事件を起こし
どれだけの人命を脅かしてきたか
当時のニュース映像とともに
記憶が蘇ります。
教団幹部の中には
当時20代の人もいました。
あの日から23年。
事件を知らない世代がもう20代になるんですね。
未来に大きな不安を残したままの刑の執行。
頭脳明晰で賢いはずの人間が
決して恵まれていないわけでもない境遇の人間が
こうも大きく道を外れ
暴走してしまう。
そのスイッチを入れるものは何なのか
それは今でもわからないままです。
