【講義:野志 保仁】
「良い波」「悪い波」を問わずに、波を予測する方法はたくさんあります。
今回はその中でも地形自体の影響を
正確に反映させられる「エネルギー平衡方程式」（以下、エネ平と省略）を
使った数値シミュレーションを行いました。
まず、エネ平で波の計算を行うためには、
地形を正確に設定する必要があります。
設定した地形が図-1です。
地元の方達の証言による器械根も正確に設定しています。
【図-1】
次に波の設定が重要になります。
一宮海岸では夏と冬で波の質が異なるので、
夏と冬の2種類の波をそれぞれ設定しました。
では、実際に数値シミュレーションの結果を見てみましょう。
分かりやすく見るために
図-1の領域Ⅰの部分をクローズアップしました。
図-2にシミュレーションの結果を示します。
【図-2】
上が夏、下が冬の波が来た時の状況を示しています。
→が波の方向、色の濃淡が波の高さを表しています。
夏よりも冬の方が波が高いことが分かります。
が、「サーフィンに最適な波を予測する新技術①」でも述べたように、
波の高さだけがいい波になる条件にはなりません。
次回は、どうやって「良い波」と「悪い波」を判断するのかについて記述します。