こんにちは。車屋してるおとめです。

最近街中ではプリウスやアクアなんて、もう当たり前に見掛けるようになりました 道路に出ると見ない日が無いくらい見ますね。


この辺りの1500~2000ccクラスのEVモード搭載車は「見た目以上の走り」と「驚く程の省燃費性能」がなんと言ってもウリです。

筆者も実際にプリウスを筆頭に、第3のエコカーのキャッチフレーズで世を踏襲したミライースなんかも実際に乗って来たので

実際に乗ってみて、車屋として整備にも携わってのアドバイスをちょっとばかし書きます。


中古車を購入する際の目安としてまず走行距離と言う物を気にしたり絞ったりして探す方は多いと思います。


しかしながらこの手のハイブリッド車はEVシステムはエンジン走行時とブレーキング時の回生システムを利用して駆動用バッテリーに還元していると言う根本を忘れてはいけません。


ハイブリッド車は完全な電気自動車ではありませんから、電気自動車モードで走行する為の電力回収にそれなりのエンジン走行か長いエンジンブレーキ区間が必要ということですね。


例えば30プリウスを例に挙げるとハイブリッドシステムインジケーターの電池目盛りが2目盛りを切った辺りから強制的にエンジン始動します。

EV機能を使用するための電力が不足している為に原動機を強制的に動かして充電を始める仕組みですね。


これらのシステムを理解した上でなぜハイブリッド車は走行距離だけで判断し難い?と言う根拠は

中古車の場合、前オーナーの乗り方次第で駆動用バッテリーの消耗具合がかなり変わっていると言う事です。


極端な実話を絡めると私のお客様で当時30型プリウスが出た当初に新車で購入、約1年に1万km程乗る方で 丁度7年7万km台の時に駆動用バッテリーをダメにしました。

この方は高齢ドライバーの方で日頃の運転が穏やかで「如何にEVモードで走るか」と言うのをコンセプトにしており オマケに高速道路に乗ったり遠出も皆無の方だったので「エンジン走行を殆どしていない」方でした。


この時代でも30プリウスの実燃費は24~25km/Lと言うお客様が多い中で、この高齢ドライバーのお客様の平均燃費計はリッター当たり30を切っていなかったので 確かに不自然な感じはありました。

御本人も「プリウス燃費ええで!エンジン掛からんでも走るし、ほんま良い車買ったわ!」とご満悦だったのですが…


ある日「ワシのプリウスなんやけど、電池メーターが直ぐに減ってまた直ぐに増えてめっちアイドリング回数増えたし燃費もリッター20走らんくなったで」とご連絡があり。

当時まだプリウスの駆動用バッテリーが駄目になるなんて車体を見る時期では無かったので私も戸惑ってました。


結果的に付き合いのあるディーラーにほぼ丸投げしたところ「駆動用バッテリーの寿命が来てる。EV走行を多用する人に起こりやすい。エコカーなのにエゴかも知れませんけど…駆動用バッテリーそれなりに長持ちさせたいのであればエンジン走行を絡めたりエコモードを切った方が良いですね」との、返答で 当時まだリビルドの駆動用バッテリーも世に出回って無かった時代なので見積で30万円以上出た記憶があります。


結果的にそのドライバーの方は別の5ナンバーのコンパクトカーに買い替えされました。


今でも30プリウスや50プリウス前期あたりの実走行の距離浅を結構見かけます。

問題はこの浅い距離をどの様に乗られてきたかがキモです。


多少走行距離が伸びててもエンジン走行を頻繁に使用して距離の伸びたハイブリッド車の方が駆動用バッテリーは意外と元気だったりします。


またバッテリーと言う物全般に言えますが「長期放置」がよろしくないです。

これは通常のガソリン車にも言えますが 定期的に動かされて10年で10万km走った車両と、動かさない期間が多くて気付けば10年経ったけど2~3万kmとかの車両だと クルマとしてのコンディションは前者の方が良いケースが多いです。


中古車の購入に当たって車自体の整備歴や修復歴などは「点検整備記録簿の有無」や「オークション会場での出品表」である程度追うことが出来ますが、直接知人から買い付けたりしない限り「前オーナーの乗り方の履歴」は拾えません。


乗り手が変わった瞬間、故障が頻発する。なんてのも自動車やバイクではよくある話です。

前オーナーが比較的穏やかな運転しかしていなかったエンジンは回りません。


多少ガンガンとエンジンを回しても定期的に油脂類がメンテナンスされたエンジンの方がトータルで見てコンディションがいい場合も多いです。


エンジンは回す為にあると言う根本を忘れてはならないと思いますね。



プリウス、アクアどちらも人気のハイブリッド車ですが かなりの台数を見て来て 意外とエンジン単体が長持ちするのはアクアです。


プリウスは1800cc、アクアは1500ccなんだから排気量があるプリウスの方がエンジンに余裕がある分長持ちしそうだぜ!って思いますが


プリウス(他にも搭載車は多数)に採用されている2ZR-FXEと言うこのエンジン、バルブステムシールがかなり弱いです。

個人タクシーのお客様なんかで30、50型のプリウスを乗られてる方のをかなり見て来ましたが

揃って25~30万km辺りから所謂「オイル下がり」が始まります。


一方でアクア系に採用されているエンジンはベースが1NZと言うエンジンで こちらは商用車のプロボックスやサクシード、一昔前のカローラフィールダーやヴィッツの上級グレード、シエンタ等にも採用されている 搭載車種も多く、頑丈なエンジンです。


1500ccクラスのエンジンはどこのメーカーもそれなりに作って持ってますが1NZは本当に頑丈ですね。悪く言えば街乗りに全振りしたようなフラットなエンジン特性なんで回して楽しいか?と言われると微妙なんですが基本設計がやや古い反面でやたらと頑丈です。


因みに2代目プリウスもこのエンジンで、未だにエンジン本体ノントラブルで40万km近く走ってるお客様も居ます。


1~2人乗車がメインで遠乗りはしないと言うので有れば相変わらずミライースの燃費も健在です。

こちらは私の出張整備用の足車ですが12年落ち、15万km程と言うご老体で この燃費をコンスタントに出します。


ただし…KFエンジンについては 色々と地雷がありますので その辺りを潰してのこのコンディションです。


どうやら最近KFエンジンのトラブル記事のヒット率が著しく伸びているので、全国的にKFエンジンの持病が出ているんだと思います。


KFのトラブルシューティングに関しては後日また書きますので*˙︶˙*)ノ"マタネー