久しぶりの車体ネタ行きます🚗💨


もう何年も前からですが米国の25年規制解除の影響やそもそもの球数が減った事が原因で

15年前位まではスクラップに出す前にとりあえず売りに出してみるか…みたいな車種も結構なお値段が付いております。


具体的な車種名で言えばR32、R33、R34系スカイライン全般 特にそれらの「GT-R」になると更に高騰。同じくS13シルビアや180SX、後継のS14シルビア、S15シルビア全般。

トヨタのマークⅡ三兄弟のツアラーV系統。

元々値段は落ちにくかったですが80スープラ。等など


この辺りの車種は純正でマニュアル車が選択出来た事もありスポーツカーとかドリ車とか言う類で人気を博していました。


しかし今では日産ではステージア、ローレル

トヨタではアリスト、クラウン(JZS17系)のアスリートV等の元々オートマチックの設定しか無かった4ドアの所謂、ミドルセダンとか(当時)高級車とか呼ばれてた類のものが値上がり始めてます。


ご存知の方も多いと思いますが年式や型式次第では

日産ではSR20系のエンジン、RB25系

トヨタでは1JZ-GTE、2JZ-GTE等のチューニング向きでパワーのあるエンジンが4枚ドアのATに搭載されていた事もあり

純正5速(6速)の本家系統に手が出ないユーザーが「とりあえずエンジンが同じだから」とか「エンジンに価値があるからベース車としてキープしておきたい」とかでセダン系ATターボの車種に流れている傾向もあります。


で、実際に乗ってましたが↑こちらが現在値上がりを始めております17クラウンアスリートVです。型式で言うとJZS171と言います。

17クラウンは大きく分けて、「ロイヤル」「アスリート」「エステート」がありまして

グレード名の末尾に「V」が付くモデルに1JZ-GTEが搭載されてます。

種類で言うとセダンタイプの「アスリートV」ステーションワゴンタイプの「エステート アスリートV」の2種になります。

※同時期に限定で17クラウンにアスリートVX、JZX110マークⅡフォーチュナーと言うのが有りましたが こちらもエンジンは同じでヤマハ原動機が多少パワーアップさせた物で更に値上がりしてます。


一応メーカー公称のカタログスペックではトルク38キロの280馬力辺りです。

この車両は足周りを軽くローダウンしてタワーバー等も取り付けて エアクリーナー&マフラーを外品に交換してインタークーラーを前置きした

ライトチューンにも満たない程度の所謂「ターボ車だったらとりあえず交換したいところを最低限交換した」感じで乗ってました。


リアビュー。マフラーはフジツボの触媒フルストレートです。

1JZ-GTE、280馬力、ターボ、給排気チューン!と聞くと速そうですが

このアスリートV、そこまで速くないです。

結論から言うと1JZ-GTEだから速いと言う期待で買うとガックリします。


理由は様々ありますがまず車重が1600kg(エステートVになると1680kg)と重過ぎます。

1世代前のチェイサーやマークⅡがギリギリ1500kgを切っていた事も踏まえるとパワーウェイトレシオで既に不利があります。

実際に友人のJZX100ツアラーVと何度もゼロヨンをした事が有りますが「同じエンジンとは思えないくらい」置いて行かれます。


あとは110系のマークⅡ、ヴェロッサにも共通しますが電スロによるアクセルレスポンスの悪化。今でこそ電スロは当たり前ですが、この世代の荒々しい直6ターボのエンジンと電スロの相性は違和感が有ります。

踏み込んでからワンテンポ遅れて加速する。チェイサーとかだとこの時にもう過給が始まってて置いて行かれる感じ。


あくまでも元が高級サルーンなので足が弱い。ブレーキも純正は止まらない。前軸重量と後軸重量の配分が悪くオーバーステアになりがちでオマケに立て直しづらい、そもそも純正の状態だとちょっと荒い運転をするとトラクションコントロールが直ぐに作動してしまう。



速さや機敏さを求めて買うべき車では無いです。もちろん莫大なチューニング費用を掛けてマニュアル化したり大幅な軽量化等を行う事である程度走れるマシンにも出来ますが

同じ様なチューニングを施したツアラーVやスカイライン、シルビアには勝てません 車のカテゴリやコンセプトが違い過ぎます。


当時アリストのV300やクラウンアスリートVあたりは20万円も出せばとりあえず乗り潰して遊べるタマが飽和してました。

そんな車が今100~300万円くらいに化けており、そこまで出して買う価値があるか?と言われると 当時数十万円で手に入った事や極悪な燃費に思った程速くない事を踏まえると勿体無い気がしますね。


唯一、良かった点は「社外マフラーに交換した時の排気音」ですね。やはりVVT-i付きのシングルターボの1JZ-GTEは特有の低音アイドリング音からの高回転まで一気に吹け上がり甲高くも少し籠ったような あの音に惚れる人は多いと思います。


決して安い買い物とも言えませんが1JZ-GTEの音が兎に角好きだ!エンジンは楽器だ!と言う方であれば購入してみても良いかと思います。


因みに後継にあたるゼロクラウンの後期3.5アスリートの方が純正状態で比較すると普通に速いです。単純に速さだけを4枚ドアに求めるのであれば2GR系のエンジンが乗ったアスリートやISの3500ccがオススメです。