大前提として書いておきますが私はApple社の正規修理代理店でも無ければこの手の工学部も卒業してませんし「素人がAppleのサポートから外れた機器の修理をした」備忘録として書いておきます。なので敢えて今回はサポートから外れているiPhone6sを例に分解整備したという名目で書きます。


最近はタイプCケーブルやApple社特有のライトニングケーブルコネクタにより充電するモバイル機器やゲーム機が増え、またそれらの充電口劣化により充電が不可能というケースが多発しています。主に子供さんが雑に純正ケーブルを扱った機器や、配線いっぱいまで引っ張って優先ケーブルで充電を酷使したスマートフォンに多い故障のように思います。


iPhoneで充電が出来なくなる症状が出た場合は「初期症状」レベルであれば充電ケーブルの差し込み端子自体にアルミテープ等で厚みの傘増しをして「接点を強制的に近付ける」行為で応急処置は可能です。

要は長年の使用で充電口自体が広がってガバガバになってきてるので差し込んだ端子に対して穴が大きい状態な訳で「充電ケーブルを斜めに差したら一時的に通電するけど手を離したら充電解除される」ケースはこのパターンが多いです。

※古い機種や屋外で多用された機種は純正口自体に埃がたまっておりそれを取り除くだけで直るという楽なパターンもあります


これはiPhone6sの充電口アッセンになりドックコネクタになります。iPhoneの純正口は下部基盤と一体型なので基盤ごとの交換になります。一般的にiPhone修理屋さんとかに充電口の交換修理として預けた場合はココが新品に交換されます。


因みに純正品にこだわりが無ければこの部品自体は1000円でお釣りが来ます。

先程の「テープ傘増し応急処置」もいずれは充電口をもっとガバガバにしていきますし そもそもこの充電口のハンダ付け自体もそんなに強くないのでワザと太くした端子で充電を続けると根本的に充電口自体のハンダ付けや固定がズレると言う末路を迎えます、なので充電口に明らかな原因がある場合のiPhoneは遅かれ早かれ結果的にはココを交換する事にはなります(買い替えの場合は別ですが)。


iPhoneの分解整備キットを一式揃えておけばそんなに難しい作業では無いのでディスプレイの開け方やリボンコネクタの外し方等は割愛します。

強いて言えば写真の様にマグネットシートに区切り線がある物を準備してどのネジやどの部品が何処のかを分かるように分解するのがキモです。


因みにこのiPhoneはバッテリの新品交換も同時依頼だったのでここまでバラしてます。大体15分もあればここまでばらせます。

アンテナユニットの脱着に感覚のコツが必要ですがとにかく「ちょっとでも外れなければまだ線が繋がってないか確認する、隠しネジが無いか確認する」を意識して分解します。

だいたいこの手の機械は何か外れない!って時はまだどっかにネジが付いてたり線が付いてたりします。

iPhoneに限ってはバッテリやドックコネクタ基盤は両面テープが併用されているので確実に全てのパーツが外れている事が分かればピックツール等で丁寧に剥がしたり外したりします。


無事に起動してバッテリも新品になった事が確認できました…が


次の日になるとブラックアウトして通電さえしなくなりました。

バッテリと充電口を新品にしたのに次の日にもう壊れてるなんて!


これには明瞭な原因がありました。まずこのiPhoneは約2年間、電源の落ちたまま長期放置されていました。ロジックボード(iPhoneで言う所のメイン基盤)は長期放置によりダメージを受けています。弱ったエンジンに急に元気な電気が流れた事により、ロジック自体が電力に耐えれず二次災害として破損してしまったのです。


結果的にこのiPhoneはドックコネクタとバッテリこそ新品交換したものの、本体基盤の破損によりまたジャンク品となってしまいました。


この記事でお伝えしたい事は

◎長らく放置してたiPhoneをサブ機として運用したくなったから久しぶりに修理しようと思う

◎元々手先の器用さには自信があるから身内が長期放置してたiPhoneを修理しようと思う

◎フリマアプリ等でジャンク品を買って該当部品だけを安価で仕入れて自分で直して実働させようと思う

等という考えをお持ちの方に対する注意喚起として記しました。


私も具体的な放置年月は把握しておりませんが約7~8年前に発売されたiPhoneで2年ほど放置された機種でこのようなケースが現実発生しているという事です。iPhone6sがビンテージ品扱いになり完璧にAppleのサポートから外れた事も、バッテリやドックコネクタ以前にロジックボードの寿命を危惧しての裏付けがあるのでは?と推測します。

つまり2024年頃にはiPhone7で同じ様な現象が、2025年頃にはiPhone8で同じ様な現象が出てもおかしくないと言う事です。(長期放置品の急な電源入れ修理の話です)


長期不動だった古いiPhoneをDIYで直そうと思っている方は要注意です。まだディスプレイ破損してるけど電源は入るなんて言う個体を直した方が余程マシです。


正直、街のiPhone修理屋さんなども含めて個人で手先の器用さに自信があり バッテリ交換等を代理修理している方も潜在的に一定数存在すると思います。


古いジャンク品iPhoneを購入して自身で直すのは自己責任ですが、手に入れる前に「放置期間」の確認は必ずしてください。

つい先月まで充電出来よったんよ…レベルのは大丈夫と思います。

しかし、充電が出来なくなって約2~3年放置してました みたいな機種は手を出さない方が良いと思います。

勿論、ロジックボードの打ち替えで復旧も可能ですが 元々ジャンク品を直す人は最低限の部品代で自分で直して費用を抑える事が目的だと思いますから ロジックまで探して打ち替えてると正直、安く手に入れた物を高い修理品と化けさせてしまう可能性もあります。


iPhone修理を個人的にされている方への目に止まればと思い執筆しました。


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