一応、本業が自動車整備関係で自身も販売などして来た中で色々な軽自動車を乗って来て楽しかった物をよりすぐって3台紹介したいと思います。

値段がやや高騰している物と手頃な物と混在してますがどれも50万円前後あれば楽しめる軽自動車を集めてみました。

No.1


HE21S アルトラパンSS

初代ラパンにのみ設定されていたスポーツグレード、ラパンSSです。

この車が実質K6Aターボチャージャーのハイプレッシャータービン車最終になります。

ワゴンRのターボ等とは違い、HA21型ワークスやkeiワークス等と同系統の高加給タービンが搭載されており可愛い顔したワークスって感じです。

マツダからOEMでスピアーノSSと言う物が出ていますがこちらはトランスミッションがATのみの設定。

ラパンSSの5MT車は他の軽スポーツに比べてもまだ安価な方で先述の通りワークス系等と部品共通も多く、この年代のスズキ車は足回りやマフラー等も他車種の物が流用しやすく中古チューニングパーツの掻き集めでそれなりのカスタマイズが出来る点も良いですね。

見た目はラパンにSSのエンブレムが付いた様な可愛い見た目をしていますがいざ走らせると系統はワークス系の、ややジャジャ馬感を出します。

流石にF6世代のカプチーノ程のパンチは有りませんが前述の通りこの年代のスズキ車は補修部品やカスタム部品が安く多く流通している点でもメンテナンス性に富む為、オススメです。

純正の足は流石に世代的に弱すぎる為、車高調とは言わずもがなせめて外品ショックやローダウンサスペンション辺りは組みたいです。

ホイールに関しては純正で14インチの4.5Jが入ってますが15インチにしてみたり、13インチにしてみたり試しましたが 車の性格的には純正の4.5J14インチが1番バランスが良かったように思います。手に入れるのは難しいですがスパルコレーシング辺りから昔出ていた5~5.5Jの13インチに155/65r13を引っ張ると言うのもオススメです。

15インチを超えるとホイールやタイヤ自体も重くなって来る為、軽量&MTの愉しさが半減されてしまい個人的にはオススメはしないですね。

外品のロアアーム補強パーツやストラットタワーバー等を組めば65~55扁平辺りでも不安無く運転出来ます。

燃費はリッターあたり18ほど、長距離や高速でほぼ20とこの年代の軽自動車ターボとしては破格の数字でした。

ラパンに限った話ではないですがスズキはエアコン経路があまり強く無いのと3番シリンダの異常燃焼が持病なので 中古車はエアコン系統のトラブルが出ていないか、エンジンがかなり疲れている状態であればシリンダヘッドガスケットやイグニッションコイルは交換したいですね。

足回りセッティングとコース次第ではかなり速い軽四の部類なのでスイフトスポーツの購入が厳しい方にもオススメしたいです。

ベースはあくまでもアルトなので室内の豪華さや快適装備は大して有りませんが、走る事がメインならこのくらい簡素な車が良いと思います。

因みに26万kmまで走行後、更に別オーナーの元で稼働中です。

No.2

ダイハツからL152Sムーヴです。正式にはL150型ムーヴのカスタムRSと言うグレードになります。

コペンと迷いましたがこちらを選抜しました。

このムーヴに関しては当時のダイハツの最高峰が詰め込まれていると個人的には思っています。

まずこのL152S型のみに搭載されるパワートレインは初代880コペンで有名な軽自動車最強チューニングエンジンとか軽自動車版RB26DETTとか呼ばれてるJB-DETが搭載されています。

他にも802オプティ、先代の900系ムーヴのエアロダウンカスタム系、MAXのRSにも同エンジンが搭載されていますが

どれも古く球数も少ない為、このムーヴRSをオススメします。

年式としては平成15~18年辺りの製造になるのですが、まずダイハツは先駆けてこの年代からボデーや足回りを一新した為 現行規格の155/65r14サイズや165/55r15サイズのタイヤが標準です。この年代はまだ155/65r13とかが定番サイズでインチアップでも15インチとかの時代だったのですがこのL152Sムーヴは純正で15インチ&165/55r15が標準装備で現行のムーヴ、タントカスタム等やホンダのNシリーズカスタム系と比べても足回りの見劣りをしません。

このムーヴにも前期と後期があるのですがRSに限っては個人的には前期をオススメします。理由としてはRS自体がそもそも本革モモステが標準装備なのですが前期モデルはこのモモステに更にパドルシフトが付いており、後期モデルになるとパドルシフトは撤回されています。

純正でフロントスタビライザーが装着されているのもこのムーヴカスタムRSのみで、前期と後期では微妙に太さが違い後期なると少しだけフロントスタビライザーが太くなります。

ただしスタビライザー自体のπ数が多少太くなれど、スタビライザーの恩恵が受けれるシチュエーションと言うのはそもそも高速域やコーナリング時なので 軽自動車やコンパクトカーにありがちなFF車ではスタビライザー付きは逆に常用域で扱いにくいというデメリットもあります。

また、後期モデルのスタビライザーの太さはソニカや880コペンの流用で賄えるため ステアリングシフト付きの前期をオススメします。

またRSのみ前期モデルではドアミラーがメッキでこれだけで区別出来てましたが、後期になるとドアミラーウインカー式になり他の上級グレードとのミラーによる判別が困難になり高級感も少し無くなりました。

メーターパネルは前期が黒文字盤で、後期になると白文字盤です。この辺りは好みで分かれそうですね。

残念ながらMTの設定が無いのですが、車内の広さや快適装備も相まって 個人的に快適な4人乗りコペンと思ってました。正直、エンジンの特性と車重の重さから市街地走行をキビキビとする事より高速域が得意なエンジンなので 街乗りでの燃費や出出しのトルク感は期待出来ませんが

郊外、幹線道路、高速道路をスムーズに走るにはこの上なく軽ミニバンとは思えないシルキーさと加速で走ってくれます。

もうこんな走りの4人乗りのハイトールワゴン軽自動車は絶対に出ないと思います 一応、多数では無いですがL152S専用マッピングのECUがあったりしてハイオク仕様のライトチューンで90~100馬力辺りは狙える車にもなってます。

持病としてはO2センサーが直ぐにダメになる、セミオートエアコンの温度調節モーターの不具合、電動格納ミラーのスイッチ反応不良、ドアノブの爪が折れる、マフラーの太鼓付近が錆びて折れる事がある 等ですが どれも定番持病のため、この辺りの補修部品はヤフオク等から解体屋さんが良く出品していますので御安心を。

あとは前期と後期で微妙に灯火類に小変更があり、前期はポジションランプがかなり交換しにくいですwバンパー外した方が早いレベルです。

フォグランプも後期は現在も主流のH8が入ってますが前期はH3bとか言うこの年代の1部車種のフォグランプに使われてた手に入りにくいのが使われてます。H3cと言うバルブは時々手に入りますが、こちらの爪を小加工することにより装着可能です。


No.3


初代ミライースです。型式ではLA300Sと言います。正直言うと、ここまでコスパ最強ならもうこの車で良いと言うか、移動手段は軽自動車で充分だよねって思わせてくれた1台です。

因みにLA310Sは4駆モデルです。リアにデフがあるかないかの違いですが走りのパフォーマンスは総じてLA300Sの前輪駆動モデルに軍配が上がるかと思います。余計な物が減る分、軽いですし元々軽いのがウリの車ですからね。

余談ですがミライースって名前にミラが付いてるからミラの派生モデルと思われがちですが実際にはESSEの後継車にあたります。

ESSEと言えばダイハツが初めて現在のKFエンジンを搭載して「サンダル感覚で乗れる車」としてリリースした車種で今でも特に5MTモデルはそれなりの人気があります。

ESSEも確かに軽く、オマケに5MTの設定もあり同年代のエンジンがスワップ出来たりとメリットも多いのですが 元がコスト削減の塊で造られた車なので塗装状態や下廻りの状態が良い物がかなり減って来ており足回りや排気管の取り回し構造なども世代前の物なので少し古い感があります。共通シャーシとしては250ミラ等になります。

現在はLA350Sと言う現行ミライースが出ていますが、こちらは軽量化にかなり全振りされておりボディ剛性が低い面が否めません。車重670kgは魅力的ですが、先代のLA300Sの730kgも軽自動車としては現在はかなり軽い部類でしょう。

初代ミライースの良い点と言えば安く手に入り、整備性が良く、流用パーツも豊富で、燃費性能が抜群と言うところです。

オマケに元々が燃費や空力性能に振られている為に、パンチの効いた速さは有りませんが

軽くローダウンして少し良い銘柄のタイヤを履かせるだけで楽しいコーナリングマシンに仕上がります。決して速くは無いけどキビキビ、シャキシャキと走れる感じです。

この年代のミライースも前期後期があり、なるべく後期モデルの購入をオススメします。

写真の物は前期ですが、前期と後期では根本的にエンジンが改良されており 格段に故障率が落ちています。また後期のFFモデルのみ前期比-10mmのローダウンサスペンション(フロント)にマイナーチェンジされており最低地上高140mmと常用軽自動車としては結構低いです。

パワートレインこそ前期の52馬力から後期の49馬力に落ちて居ますがCVTの減速比等でこの辺りはリカバリーされている為、気にするレベルではありません 寧ろ改良型のエンジンになった後期の方が最大出力こそ下がったものの街乗りのしやすさは上がってる感覚です(後期の所有経験もあり)。

また、この車はL175S系ムーヴやL275S系ムーヴの車高調や補強パーツ、排気パーツがほぼポン付けなのでカスタムする際も意外と安く出回っているL175S系のパーツで仕上げたり出来ます。

LA100S系ムーヴ等のターボ用ストラットと変更する事によりフロントスタビライザー装着も可能になりますが、、

車重700kgクラスのノンターボの軽自動車にスタビライザーは正直?必要?と言う感じです。

スタビライザー自体は付いていると恩恵もあるのですが概ね、普通車クラスで且つ高速域での安定性が求められるケース等で標準装備される事が多いです。左右のサスペンションの動きに連動して上下に補強バーが働くのでシチュエーション次第では乗り心地の向上やコーナリング性能の向上が望めます。ただ、サスペンションの働きに紐付けて付随させるパーツは「低速域や常用域でのハンドリング性能を低下させる」と言うデメリットが存在します。

スタビライザーの他にもタワーバーやロアアームブレース等が該当します この手の軽自動車は元々アンダーステアが出やすいので手軽な補強パーツとして装着しやすく安価なストラットタワーバーやスタビライザーを付けてみたくなるのですが

そもそもアンダーステア自体がFF車の根本的な特性であり、「骨」がどれだけ頑強になっても路面と意気投合しているのは「タイヤ」なので

追加スタビライザーで軽自動車を重ったるい挙動にする位なら フロントをやや落としてリアをワイドトレッド化した方が良いです。

補強パーツは組めば組むほど、常用域で乗りにくい車になります ミライースは常用域で快適が大前提の車なので変な話、バーを増やして入れる位なら車高調だけ付けておいても良いくらいです。

グレードに関しては廉価ビジネス向けモデルのBから常用向け最低グレードのL、メーターパネル等のデザイン変更したりやメッキパーツを多用したX、Xグレードをベースにウインカードアミラーやリアワイパー、オートエアコン装備等を備えたGグレードがあります。

個人的には、今中古車で狙うならGグレードだと思います 球数はLやXに比べると少ないですが新車価格帯では40万円程の開きがあり、オートエアコン等は後から付けるのは難しく 今の中古車市場では正直グレードによる価格格差は殆ど有りません 寧ろ見付けたらGグレードで、いいくらいです。持病としてはミライースに限ってませんが第2KF世代くらいまでのピストンリング膠着によるオイル消費、EGRバルブの閉塞等です。

この手の車はビジネスや通勤でそれなりに回された物と、主婦の方がチョイノリした物と個体差が激しく 基本的にチョイノリされたKFはエンジン汚いです。多少距離走ってても前オーナーが男性で一度に長距離とか走ってた個体の方がエンジンコンディション良かったりします。

ノンターボとは言え一応、リミットまでの速度は出ます。エアコンを使わない時期は平均燃費余裕で25越します。軽い車体で旋回性が良い為、ワインディングの下りや高速のランプとかで背高のミニバンとかSUVに煽られても置いてけぼりに出来るようなコーナリングマシンです。


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