運命かもと調子に乗って、長く一緒にいたから
色んな“新しい”を手に入れてしまった。
「そうだ、カナディアンロッキーに行こう」
その一言で、カナダに発とうとしたとき、今月はちょっと旅行しすぎちゃったねと、
四国へ行先を変更した。
目的は美しい星空なのだから、わざわざ海外に行かなくても国内にも綺麗な場所があることをエディに教えたかった。
愛媛県と高知県の県境にある四国カルスト。
石灰岩が織りなす広い高原には高い木などもなく、大地と星空が一体となった壮大な風景を楽しむことができると聞いていた。
周囲には県道が整備されており、360度が天然のプラネタリウムになる。
国内だからリュック一つでいいね。
そう言い合って荷物少なに私たちは旅行先に出た。
車で向かった。
真夜中、国道を走らせ近くに車を停めた。
エディがリュックから取り出したのははごろもフーズのツナ缶マイルド味だった。
「僕これ好きなんだよね」
エディが肩をくいっと上げておどけて見せる。
車から出なくても、わざわざ空を見上げなくても360度が星空になっている。
エディが持参した缶切を使えずに手こずっている。
この頃はまだ、プル式の取手の付いていないツナ缶だった。
開いたツナ缶に木製の小さなスプーンをツッコんでツナを食べながら星を眺めている。
オイルで光る缶を私の前に差し出して
「ここに月を入れてごらん」
と言う。
月明りと星明りで空が明るいなんて初めて知った。
流れ星がス~っと通り過ぎて行く。
私はツナ缶の缶を手に持ち、その中に星を集める。
上手くいかない。
「ダメ。うまくいかないよ、エディ。もっと深さのある缶じゃなくちゃ。so stars better」
あの時のツナ缶があまりにも印象的過ぎて、
今でもツナ缶を手にすると思い出すよ、エディ。
いつ、梅雨が明けるだろう。