今は亡き夫との間に、エマが産まれたとき。
私は溢れる涙を止めることが出来なかった。
あの気持ちをどのように言葉で表現したらいいのか、今でもそれに該当する言葉が思い浮かばないでいる。
ちなみに、半身麻酔で帝王切開だったので意識はちゃんとあった。
私のお腹に触れられている・・・という感覚だけがあるが、痛みだけ感じないという不思議な状態だった。
いや、それを麻酔と言うのだよ・・・と思うがなんとも不思議な感覚だった。
エマが私の胎内から取り出された瞬間、その場の空気が一瞬緊張した空気感になったのを私は見逃さなかった。
背中を小突かれてやっと「めぇぇぇ」と泣いたエマ。
赤ちゃんは「おんぎゃー」と泣くものだとばかり思っていたので、第一声の「めぇぇ」には驚いた。
私はヒツジを産んだ記憶はない・w・
冗談はさておき・・・
エマはタオルで血液などを拭きとられたあと、手足の指が5本ずつあるのかを看護士が素早く確認し、
すぐに体重計に乗せられた。
「3,240g、元気な女の子の赤ちゃんですよ」
安心した。
そして・・・やっとエマが私の顔の横に連れて来られたとき、
その瞬間、
まるで太陽を間近で見たかのような眩しさに襲われた。
もちろん熱くなどはない。
ただ強い光がエマから放たれていて、私は思わず目を細めたほどだった。
太陽の光は直視していれば「眩しい」と感じて目を逸らすが、
エマからのそれは、決して嫌悪感のないものだった。
心地の良い強い光だった。
そしてその光に触れた瞬間に、言いようのない気持ちが溢れて涙が溢れて止まらなくなった。
これを愛というのだろうか?
今もよく分からないでいる。
だだっ広いこの宇宙の中で、このたった一人のエマに会えた幸せを、私は喜んでいた。
やっと会えたね・・・
そう呟いた。
臨月の頃は、早く産みたくて仕方が無かった。上を向いて寝るのもしんどい、横向きでもしんどい、仰向けなどしんどくて絶対に出来なかった。
だから早く体外に出したかったのだ(笑)
そして産まれて来てくれたエマを、今は亡き夫と育てていた。
死別の原因は、再度改めて書こうとは思わない。
お時間がある方は(前夫①・前夫②・前夫③・前夫④ の記事)をご覧ください。
当時不思議なことがあった。
エマがまだ歩けない赤ちゃんだった8ヶ月の時に私は前夫と死別をしているのだが、
そのころ、時々この家族3人を将来は・・・
と脳内でイメージしていたときのこと、
とても不思議なのだが、
3人の将来が浮かばないのだ。
私がどんなおばさんになっていくのか、エマがどう成長していくのかは、なんとなく想像が出来たのだが、
どういうわけか、当時の夫だけ、真っ暗なのだ。
後出しじゃんけんのような話ではあるが、
本当にあのときの旦那だけ、黒く映って私の脳内で家族の将来というものがシュミレーション出来ずにいたのだ。
それから間もなく夫は死ぬことを選んだ。
今はどうだろう?
想像の中のヒロシは、なんとなくだがこんな風に年を重ねてこうなっている・・・
というものが脳内に浮かぶ(*´ー`*)
ものすごいご縁で結ばれたなぁ・・・結んでいただいたなぁと思っている。
私も、ヒロシとは、何か強い縁を感じている。
私とヒロシは、知人から紹介されて結婚したのだが、
そうでもしてもらわなければ決して交わることの無い、何の接点もない二人だった。
趣味も年代も違う。
平日の過ごし方も、休日の過ごし方も違う。
お互いの家はこんなにも近かったのに。
不思議なものだな・・・
人と人のご縁って、本当に不思議なものだなぁと感じる。
自分とヒロシの出会いを顧みてそう思うのだが、宇宙でいうとチリにも満たないようなワンシーンなのだろうな。
41歳の私、57歳の夫、
どちらが先にあの世に召されるのか分からないが、
きっと、
私たちならいつだって夢の続きを木星で始められるよねと思う。
地球には少し休息が必要だ。
だから色々とあるのだと思う。
夫が温暖化の話を持ち出して、
「南極が20度超えしたとか言うし、地球ヤバいな」
と言い始めた。
サラが
「え!どうなるの?」
と言うと夫は
「海面が上昇してあちこちが海の底になるぞ」
と笑っている。
サラが
「え、待って、どういうこと?」
と言うとエマが優しい声で
「海の底に沈む世界が出来るんだよ、神秘的だね」
と言う。
エマらしい。ダーウィンの進化論が正しいのであれば、水中でも難なく生命を営んでいる生命体がそこに存在するのだろう。
なので私は
「地球はお疲れなんだよ。地球が産まれてからず~っと、人間の気ままに振り回されちゃって。結局他の誰でもない、地球が一番疲れちゃってるんだろうね、だからママ、次は木星で始めたいな」
と言っておいた。
シナリオも何もかも、サラやエマが自由に考えてくれればいい。
ヒロシはその言葉を聞いて、さきほどこんなことを言って来た。
「ハルが木星に行くならワシも行くぞ~」
(*´ー`*)うん
どこにいても捕まえに来てね。
きっと、そのぐらい強い縁で私たちは結ばれているんだから。