この記事に書いた陽子に先ほど会えた興奮がいまだ冷めやらない。
もう会えないと思う気持ち半分、きっと私ならどこかで会えるのだと信じていた気持ち半分だった。
先ほどいた役所とは別の、税務署に今来ている。
陽子とはもうバイバイをした。
指が震えているし、込み上げてくるものがある。
私から声を掛けた。
「陽子?」
颯爽と風を切りながら歩くその姿は昔と全く変わらない。
セックスがないと夫婦ではいられないと言い切った陽子の、あのときの容姿のままだ。
溢れ出んばかりの色気をばら撒きながら歩く姿を、私が見逃すものか。
やはり陽子だった。
「!!ハル?!」
「絶対に陽子だと思った!変わらない…ぜんっぜん変わらないね?綺麗なまま!」
「ハルも…」
と言いかけて陽子は私の全身を一見し、
「ハルはちょっと痩せた?」
と言った。
「ううん、元気だよ!!あのさ、ここのところ陽子のことをふと考えていたの!それに、陽子にそっっくりな人と知り合いになったの!!」
と、口早に伝えた。
陽子も、私のことを時折思い出してはいたようだ。
「スマホ一度初期化しちゃって連絡先が消えたの( ´:ω:` )教えて?」
「うんうん!」
連絡先を無事に交換した。
すると、
もう二度と結婚しないのだと、私がヒロシと再婚をする時に言い放った陽子の口から、
「あ、わたし今月中に再婚することになったの」
と。
私はそこが役場の出入口だということを忘れ、
「凄い!おめでとう(T-T)!!!」
と陽子に言った。
7年という歳月は、頑なだった陽子の価値観を変えたようだ。
思わず涙が溢れた。
「陽子よかったね…」
すると、泣く私を見て陽子はクスクスと笑い、
「ハルは変わらないね、そういう純心なところが昔の私は腹が立って仕方がなかったのよ」
と言った。
そうなんだ。
いや、そんなことどうでもいいのだ。
私は今日、
陽子に会えたことが嬉しい。
陽子は、独り身だから生きるために必死で働いているわよと言っていた。
秋頃には不規則な仕事の時間拘束で体調を崩し、
入院をしていたのだと言う。
心配だな。
でも元気そうだった。
強気な態度も、口調も、どこか冷めきった出で立ちも、真っ白な横顔もそのままだった。
陽子は別れ際に
「ハルも相変わらずだね、覚えてる?昔のこと。」
というので
「ん?(*^^*)」
と言うと、
「あたしとハルが二人で歩けば10メートル毎にナンパされたじゃない!」
と、やはりあくまでも陽子だった。
「あはは、そんなこともあったね」
「ふふ、じゃあまた仕事場に戻るからまたね!連絡先入力してLINE申請するから友達追加しておいてね!」
と言うと、
颯爽と風を切りながら、
ハイヒールのパンプスをカツカツ言わせながら去って行った。
私は、税務署に向かう車の中で、
陽子の幸せと無事を確認出来たことの喜びから、
視界が歪んだ。
たまらずにスマホからの更新にて。