昨夜、珍しく夫が私の隣で私よりも先に寝落ちしていた。
スピーー・・・ スピーー・・・ スピーー・・・
可愛らしい寝息を立ててすっかりと夢の中だ。
そんな夫の横でうつ伏せになり、肘を立てて手のひらに顎を乗せたまま暫く夫を眺めていた。
布団から出たゴツっとした短い指の右手が愛しい。
この手で今すぐいつものように頬を触って欲しい。
二人の時間が限りのある時間だということすら愛しい。
ときどき気まぐれな季節風が私たちの間にいたずらに吹き抜けていくけど
崩れないで進んでいこうね。邪魔されないでいこうね。
これ以上ない時を過ごそうね。
夫の寝顔を見ていると、眠れないな、もったいないな。
微かに笑うヒロシの寝顔を見ていると、
「ハル」
と。
寝言だw
おやすみも言わないで目をつぶったその目の中にちゃんと私がいるんだな。
嬉しい。
もうちょっと胸に焼き付けよう。
そんな風にず~っと夫を眺めていると、寝がえりをうつタイミングで私の体が邪魔をして上手く寝返れなかった夫が目を覚ました。
「おぉ・・・寝てしまった・・・」
「うん、知ってる。いいよ。もう寝ようね」
微笑むヒロシ。
さっきまで愛しいと見つめていた右手が、私の頬に触れる。
「ハル。肩まで布団に入らないと。冷えるぞ」
この人はいつもこうだな。
そんなに優しくしてくれたら、眠れないな、眠るのがもったいないな。
なんて思いながら肩まで布団に潜り、夫に体を寄せて寝た。
深夜に夫のキスで目が覚めた。
なんてことない時間がほんとに幸せ。