朝から二女をお稽古ごとの場所まで送り、昼には迎えに行く。
こんな状況でも外に出なくていい日などない。
両親がとても心配してくれており、協力してくれている。
いつも頼りにしています。ありがとう。
朝から美晴も来てくれた。
今の状況を全て知ってくれている。
「エマちゃんとサラちゃんの送迎なら私もするから遠慮せずに連絡してよね」
と、手には餡餅の入ったタッパーを持っている。
「あとこれ。旦那と作ったのよ。餡から作ったの。たぶんハル好みだと思うから皆で食べてね。」
と。
朝から1つその餡餅を頂いたが、餡が甘すぎず優しい甘さで、
どのお店で買う餡餅よりもずっと美味しかった。
美晴はお料理も上手だ。餡餅一つでも、綺麗に丸まって形が形成されており、
売り物かと思うほどだ。
そして美晴にコーヒーを出すと、
「男に限らないけどさ、ああいうタイプの人間には情に訴えたって無駄よ。そもそも人の心を持たないんだから。ハルは分からないでしょ?」
と言う。
「分からないのはヒロシさんの方よ・・・。私なんかよりもずっと人がいいんだから。」
「あぁ・・・そうかもしれないね。でもハルも知っておいて?どんなに情の部分で訴えてもダメなの。そういう人間が、いるのよ」
疲れてくる。
あの人だって、ああいうふうになったきっかけがあるんじゃないかと思えてならない。
でも今はそんなこと考えている場合ではない。
美晴の言うことを聞く。
私は美晴の言葉に腑に落ちない顔をしたのだろうか。
「納得してないかもしれないけど、命最優先よ。ハルに何かあったら私生きていけないから」
美晴がそんなことを言って大きな目を潤ませていた。
「ありがとう、私もだよ、美晴」
ヒロシが仕事に出て家に私しかいないと思った美晴は、私の両親がいることに安心して帰って行った。
美晴の言ったことが脳内で繰り返される。
あの人は人じゃない。
こんなことまでされても、私はどこかで彼もどこかで被害者なのかもしれないという考えを持っていた。
そんなだから夫に負担を掛けてしまったのだ。
いい加減、気持ちを切り替えてスパーン!と切り捨てる思いで事を進めていく決意をした。
決意はしたが・・・
気持ちが悪い。
熱ははからない。
数字を見ると寝込んでしまいそうだからだ。
きっと微熱程度だ。
お腹が焼けるように熱い。
少し横になっていよう。