長女が小学6年生の頃
ヒロシは私と離婚しようとして、役所に離婚届を取りに行く前の会社倉庫にて
大けがをしている。
本当に大怪我だったのだ。
実は夫が入院になったその日、ヒロシが怪我を負った現場に立った。
トラックの荷台の四隅に、積載物が傾れ落ちないようにするためなのか、L字型のフック?金具がついていた。
現場に立って、床を見ると、
若干血が落ちていた。
その血を、私はホースで放水しながら洗った。
当時私はヒロシのことが嫌いで仕方がなく、離婚しても仕方がないと思っていたのだ。
話しも合わない、セックスもしない、作る料理にはいちいちケチをつけてくる。
心身ともに疲れ果てていたのは事実だ。
夫も、荒々しい口調で私に向けて怒鳴り散らしてきていた。
夫が激昂して怒鳴るのに反して、私は恐ろしいほど冷静だった。冷徹だった。
感情的になって激昂している人間を見ると、サーっと引いていく自分がいた。
その時もそうだった。
結果的に夫は大怪我を負い、離婚届を取りに行けなくなった。
ヒロシはその件について
「バチが当たったんだろうな」
と自分でも言っていた。
あのとき・・・
怪我などせず、ヒロシが離婚届を取りに行っていれば
私は素直に離婚に応じただろう。
夫が私を嫌だと言うなら仕方がないじゃないか・・・と。
ゾっとする。
今のこの幸せが無いものだったのかもしれない。
離婚しなくて本当に良かった。
今嘘みたいに夫婦仲がいい。
そして夫を失いたくないと強く思っている。