夫は毎年私の誕生日に花をくれる。
ブログに書いたことがあったかどうか曖昧だが、
必ず花をくれる前に
「今年は何の花が欲しい?」
と聞いてくれる。
「う~ん・・・切り花は命が短いから、鉢植えでバラとかがいいかな」
と答えても、
結局毎年、胡蝶蘭が贈られる。
ヒロシの中で、私は胡蝶蘭なのだと言う。
毎年、花にメッセージカードがついている。
写真を載せたいが、実名が書いてあることなどから自粛しておくことにする。
一年前の誕生日まで私はそんな夫の事を、
「どうせ胡蝶蘭しかくれないのだから、そもそも何の花が欲しいかなんて聞くべきじゃない。なんなの?」
としか思っていなかった。酷い妻だ・・・(だった、と記しておこう)
私は花が好きだ。
胡蝶蘭は花が落ちると、再び咲かせるのには日当たりの良い暖かい場所に置き続ける必要がある。
我が家のガラス窓はUV加工がしてあり、室内で植物を育てるのに向かない。
枯れると悲しい気持ちになる。
せっかく貰った花を、しかも高級花の胡蝶蘭を・・・。
それを夫に説明すると、
「まぁいいじゃないか。花なんてどうせいつかは枯れるんだから。」
と言う。
「でも・・・」
と言うと、
「俺にとって、ハルはどんな花でもない、蘭なんだ」
と言う。
薔薇には棘があるが、ハルには棘はない、夫はそう言ってくれるのだ。
こんな私のことを、胡蝶蘭のようだと言うのだ。
去年の誕生日に贈って貰った胡蝶蘭には
“胡蝶蘭がよく似合う君へ 愛しているよ”
と、ヒロシの癖のある字で書かれたメッセージカードがついていた。
嬉しかった。
夫は不器用だが、裏表がない。
心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる蘭の花
これは源氏物語の内に登場する夕顔が光源氏に宛てて読んだ歌だが、
その一部を蘭の花に変えて、ヒロシが読んだ歌ととると・・・
とても胸がいっぱいになる。
そして私も歌で答える。
寄りてこそ それかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の胡蝶蘭