夫に事務所まで呼び出され、行くとイケメン社員の秋山さんがいた。
Σ( ˙꒳˙ )!
「俺もな、言いすぎた面があったことを謝ったんだ。それで社会保険のことやなんかでハルに聞きたいことがあるって言うんで来てもらったんだ」
と言う。
不意打ちだな…
「えっと何か分からないことがおありでしたか?」
「あ、保険証っていつまで使えますか?」
「28日が最後の出勤日になるので、28日に預かります。それ以降は31日までに病院にかかることがあればコピーを見せて事情を言われればそれで大丈夫かと思います。それ以降は…」
と話を続けていたが、
それを遮って秋山さんが小さい声で言う。
社長席に座る夫に聞こえないように、
「分かりました。」
という言葉だけ通常の声量で返事をし、その後ボソボソっと
「すいませんでした」
と言う。
返事をせずに黙っていると、再度
「すいませんでした」
と言う。
「はい。」
とだけ言っておいた。
「そういうわけで、秋山は退社するから。本人もその意思は変わらないと言うからその方向で。で、ハルからは何も言っておくことはないか?」
言っておくこと…
ないな…
「お世話になりました」
「こちらこそお世話になりました」
「もういいか?」
「うん」
淡々と話が済んだ。
やはり退職するらしい。
夫が秋山さんに何をどう言い過ぎたのかは分からないが、
夫が秋山さんに謝ったからなのか、
秋山さんは穏やかだった。
私は再び自宅に戻った。
私が事務所からいなくなった後、夫と秋山さんは暫く話をしていたと言う。
何を話したかは教えてくれなかったが、
私が気にするようなことはもう何も無いと言ってもらった。
今夜夫は夜間点検のため不在だ。
今夜も夫の隣で朝を迎えたかったが仕方ない。
「気を付けて点検行って来てね」
とハグをした。
私と夫を見て、娘二人が口をぽかんと開けて見ている。
そりゃそうだろう。
出来るだけ触れ合わないようにしていた私が、夫の腕を掴んで離さないのだから。
それでも長女はすぐにまたやりかけていた宿題にとりかかっている。
二女は
「ラブラブ~っ!」
とはやしたててくる。
今日は布団に一人。
なんとなく寂しい。