銀杏も紅葉もとうに色づき、色葉がはらはらと落ちる頃。
ちょうどこのぐらいの時期には毎年、想う。
色々と気づいてあげられなくてごめんね、と。
*
あの時に見た飛行機雲は果てしなくどこまでも続いている気がした。
「行ってらっしゃい」
とくちづけを交わした朝が最後に見た動くあなただった。
せめてこれが最後だよと、示して欲しかった。
ほんの少しの違和感を抱えながらも、お仕事の忙しさからくるものなのだと深入りせず、
そして夫はいなくなった。
寄り添った感覚を今も忘れられないでいる。
再婚をしたので、この思いはひっそりと、気付かれないように心の奥にしまってある。
誰にだって、忘れ難い存在の人が、一人や二人はいるだろう。
でも、夢なら覚めてしまいたいと思った日々も昔。
14年という時間薬が効き始めている。
今は背筋を伸ばして前を向けているので心配しないで。
どんなにあの街並みがうつろいでも、あなたが贈ってくれた花は毎年花を咲かせるのだ。
毎年くるこの季節には、ほんの少しだけ、物思いに耽っている。
ほんの少しだけ。
あの時に見た色付いた木々と山々、そしてそれらが夕陽にちょうど照らされた瞬間、
どういう過ごし方をしていても、ふと思い出しては視界がかすんで歪む。
私が泣くといつも
「はるが見ているかすんで歪んだ世界なんて騙せたらいいね」
と優しい親指で涙を拭いてくれていた。
そう、だませたらいいよね。
今日はまず、昨日にSay GOOD BYE!