あそこの角を曲がると金木犀の香りがついてくる。
ついでに土手で西日に照らされたススキも黄金色して揺れている。
今年もまた、秋がきたのだなと思う。
最初の夫を亡くしたとき、冬が寒くてほんとによかったと思った。
どこを歩いても勝手に流れ落ちてくる涙を、寒さにかじかんだ手を温めるふりをして
涙を拭えたからだ。
この世で自分だけがとても可哀想な気がした。
自由気ままに生き過ぎた代償なのか?と思ったりもした。
答えは出ぬままだ。
ただ、私の手の中には生後9か月という幼い命があった。
これがなければ私はきっと今ここにいない。
母性とはなんと凄いものかと思う。
「よく鬱にならなかったね」
ときどきそんな言葉もかけてもらった。
「そうね・・・」
それ以上何を言えばいいのかも分からなかった。
子どもを連れてオープンスペースに行けば、どの若いママたちも、兄弟姉妹の話をする。
そして私はなぜかどこへ行っても必ず話しかけられる。
そして話題は夫の話になるのである。
主婦が集まる場などそんなものだろう。
「私●●に住んでるんですけど、良かったらうちに遊びにきません?」
と言ってくれるママさんがいたり、
「旦那さんって何してる人なんですか?」
と唐突に聞いてくるママさんもいたり、色々である。
「あ、あのね、うち、夫亡くなってて二人なの。この子と。」
と言うと、
「えええ!なんか・・・全然明るいからそんな感じ全然しない・・・え・・・寂しくないんですか。悲しくないんですか・・・?私なら悲しくて立ち直れない!外にも出られないかも・・・」
と言われたこともあった。
夫を亡くして悲しくない妻がいるんだろうか?
そもそも私もしばらく外出できなかったさ・・・。
若いって罪だなとつくづく思う。
言葉選びもたいがいにしなさいな。と心底思ったっけな。
怒涛の1年だった。
そんな中、私の友人たちは、何も言わずにいつもただただ心寄り添ってくれていた。
慰めの言葉をかけてくれたわけでもない。
励ましてくれたわけでもない。
ただただ、気付いたら傍にいてくれた。
つらくてどうにかなってしまいそうなときには無言で肩を抱いてくれていた。
そんな友人たちを私は今でもとても誇りに思っている。
彼女たちに何かあったら、同じように心寄り添っていたいと思っている。
でもみんな、
とても幸せそうだ。
暫く私のそういう出番はなさそうだ。
いいことだ。
そんな友人からメールが届く。
「4人目妊娠した!」
まじかwww
おめでとう♡