昨夜、お風呂から上がって来た長州小力のような夫は、
デデーンと突き出たお腹を重たそうに歩きながらお風呂上がりをのんびりしていた。
私もお風呂に入り、湯船で自分の体をじっと見て色々なことを思った。
今さら・・・今さらだな・・・腹を括ろう・・・
子供二人も産んでおいて、今更何を大事に守っているんだろう。私なりに努力をしたこのお腹もこの腕も足も・・・
こんなこと思ったの何度目だろう。
軽くのぼせたのでお風呂から上がり、既に綺麗に片付けた特に用もないキッチンに行き、手持無沙汰を誤魔化した。
そして時間が経ち、子供たちはそれぞれの寝床に行き、寝入った。
長女は健康ヲタクで早寝である。こういう時は、規則正しい生活をしてくれていて助かっている。
夫と二人になったリビングで、私は前にも書いたように、「あの・・・“えい!っ”っていうのやめてね、なんか怖くなるから」
と言った。怖くはない。笑ってしまいそうになるからだ。ふと冷めきってしまうからだ。その辺は嘘も方便である。
夫は
「ん?そんなこと言ってる?」
というようなリアクションだった。無意識の「えいっ!」だったとしたらそれはそれで怖い。
何かに憑依されているのだろうか?と思ってしまう・・・。いやいや、それほど必死なのかもしれない。
何人かの方に、“ヒロシ私が初めての経験”説を指摘され、まさかとは思ったがひょっとしたらそうかもしれない。
過去にお付き合いをした女性はたった一人いると聞いていた。でも少しの期間一緒に住んでいたとも聞いていた。
一緒に住んでいたのだから、童貞ぐらい捨てているだろうと思っていたが実際のところは分らない。
でも、局部に何か着けている男なんて、女性からしたら余程のイケメンであるとか、
良からぬ薬で感覚が麻痺でもしていなければ恐怖以外の何物でもないと思う。
いやいや、よほどのイケメンだったとしても、その局部が理由で一瞬で無理になるかもしれない。
現に私もそうだ。正直、嫌だ。
でもどうしても今は夫にいえない。傷つけてしまうのではないかと怖い。
そんな頻繁に抱かれるわけでもないので、黙っておくことにする。
そして私たちは一階の和室に布団を用意し、寝ることになった。
緊張や色々な思いで疲れている。
実際に風邪気味でもある。喉が痛い。このまま寝てしまえたらどんなにいいか・・・。
肌障りのいい柔らかい毛布が、私を温かく包んだ。
「今行く」
歯みがきを終えたヒロシが言う。
「・・・・。うん」