私にとって音楽とは、日常生活の一部だった。
ヒロシと結婚するまでは。
私にとって音楽とは、日常生活の中の色々なタイミングで流れているもの。
特にドライブをするときは欠かせなくて、鼻歌を歌いながら流している。
昔付き合った彼と聴いていた音楽は、その曲を聴くだけで、当時の会話、その時の自分の気持ち、
相手の言葉、その時の温度や匂いみたいなものまでもがよみがえってくる。
私にとって音楽と香水ってそういうもの。
街中で昔の彼がつけてた香水の香りが漂ってくると、ふと足が止まるような、そんな感覚に似ている。
だが夫は違う。
自分の興味のある曲以外の曲は、煩わしい雑音となる。
再婚する前に、夫が私を温泉に連れて行きたいと、急に言い出したことがあった。
この温泉の件もいつか記事にしたいハプニングがあった出来事だった。
その時わたしの車で出かけたのだが、好きな音楽をかけていた。
邦楽・洋楽。
なかなかのヒットメドレーだったと思うが、そのどの曲も知らなかった。
年齢が16離れているからという理由だけではない。
自分に興味が無いことは、他者に合わせないのである。
それにしても雑音って・・・
本人が言っていた。うるさい・・・雑音と。
だから昨日たまたま夫と音楽の話になったのだけど、その時に言ってみた。
「まだ結婚してない頃、自分は音楽なんか聴かないって言い切ったのを聞いて、なんてつまらない人だろうって思ったよ。二人で共有できる音楽がこれから先も築いていけないってことだものね」
と。
ほんとにつまらない男である。
今はやりの音楽ぐらい知っとけ・・・