将棋倶楽部24での15分より。数年ぶりに24で指したので、振り返ってみる。
将棋ウォーズは切れ負けなので、どうしても終盤にしっかり考えることができない。読み切れないままの指運勝負になりがちで、なかなか終盤力を鍛える場所にはなりづらいと思う。
今のレートは1403(2級)。勝率は7割を超えているので、もう少し伸びてもいいのかもしれないが、それは過去の話。最盛期より結構落ちているので、今の実力はよくわからないところ。
さて、▲56歩がなかなかお目にかからない手。
ウォーズだと超速二枚銀が最も多く、次いで一直線穴熊、三番目に超速穴熊という割合で、▲56歩は指されたことがない。
ここで△88角成~△57角と馬をつくりに行く手も一応あるが、先手からも▲53角とされて手将棋になると自信がない。たとえ一方的に馬をつくったとしてもその後の活用が難しく、あまり評価できない。序盤の馬を評価しないようになったのは高校時代などと比べて明確に変わった点である。いや、昔は過大に評価していた。
少し進んで▲68玉。
ここは△88角成とすべきだった。
本譜は△72玉としたために、▲78玉~▲25歩とされた。
こうなると左銀を活用するには△88角成とするよりないが、▲同玉と手順に取られ、左美濃にすんなりと組まれてしまった。作戦負けである。
振り飛車としては、先手ゴキゲン中飛車でよく見かける布陣に組むところまでは良い。
ただ、普段のウォーズでは5筋の位を取る展開が圧倒的に多いため、5筋交換型の経験値が不足している。これが痛い。ここからどう指すべきか、なかなか方針が見えづらかった。
中盤をショートカットする△55歩、▲同歩、△同飛、▲56歩、△25飛のぶつけは有力だった。堅さ負けしているので単純な飛車交換は無理気味なイメージがあったが、△31飛があるので互角の勝負である。
先手はその筋を警戒してか、▲36歩と、▲37桂を用意してきたが、△35歩が生じるので難解。
もうひとつ有力なのが、△21飛。以下▲65歩、△24歩、▲同歩、△25歩、▲23歩成、△同飛、▲41角、△21角、▲68飛、△26歩、▲77金、△53銀が一例。これも互角。結論としてはこの仕掛けが最も自信を持てるが、実戦では明確な根拠なしに候補から外してしまっていた。
本譜はいったん△64歩と様子見。ただしこの手は、△21飛から△24歩、▲同歩、△25歩、▲23歩成、△同飛、▲41角と進んだ場合に、▲85角成が発生するデメリットがある。
対して悠々と▲15歩。これはほぼパスに近いと思う。攻めをどうするか考えすぎたところでおそらく結論は最初に浮かんだ手から変わらないはず。負けても次に繋がれば良いという思いで不退転の攻めを決行した。
△55歩、▲同歩、△同銀、▲56歩、△45桂、▲55歩、△57桂成、▲同金、△39角、▲58飛。
ここで△49銀が当初の予定だが、△55飛も目につく。
しかし、▲46角、△25飛、▲37桂、△29飛成、▲45桂と2段ジャンプされると攻めが空ぶっている印象を受ける。玉の硬さが負けている中で桂損の代償を得てはいない。評価値としては先手600点ほどで、体感としても一致している。
したがって予定通り△49銀、▲59飛、△48角成。ところが当然に見えるこの△48角成がソフトによると疑問手!代えて、△58歩、▲同金引、△66角成、▲77銀打、△58銀成、▲同飛、△57歩、▲68飛、△55馬という展開が良いそう。
しかし、これでも先手600点ほどと振り飛車が不利。
本譜の△48角成だとさらに酷く、先手が一気に1100点ほどになる。最大の要因としては▲54桂が厳しいため。本譜の桂損ルートの攻め方だとこの▲54桂が痛い。桂を渡すと通常は86桂や74桂ばかりを想定するので、これは完全に見落としていた。
つまり結論として55歩、同歩、同銀の攻めは無理。堅さ負けの上に桂損しているにも関わらず、戦果があげられていない。しかも反動の▲54桂がキツい。
本譜は△48角成以下、▲67金(解析では悪手なのだが、何が問題なのかは不明)、△58歩、▲49飛(実は見落としていた)、△同馬、▲54桂と進んだ。この局面の評価値は後手900点ほどなのだが、実感がない。▲54桂を指されたことでスピード負けする未来がちらつき、少なくとも優勢とは全く思っていなかった。
以下、△59歩成、▲68金上、△58と、▲77金右。と金をつくったはものの、先手の金銀の形が妙に堅い印象を受けた。▲62銀にどう対処するべきか、よくわからないまま秒読み状態。
ここから自分の圧倒的終盤力(笑)が発揮される。
どこかで△54飛と切って△55桂と攻める筋を考えていたのである。
しかし、例えば上図で△54飛、▲同歩、△55桂としても、▲53歩成、△67桂成、▲同金と進むと、後手からは次に厳しい攻めがない。斜め駒がないので王手をかける手段もなく、先手からすると非常に読みやすい展開である。後手はただ金を取っただけであり、その金も△71金打と使わざるを得ない(先手1300点)。
本譜は▲77金右に対して一旦△38飛。先手は当然の▲62銀。
△68ととしても▲同金、△同飛成、▲79銀と受けられると、竜切りしても後続手がないので後手を引かざるを得ず、不利と考えたのだが、その代替策として最悪の選択をしてしまう。
△54飛、▲61銀成、△同銀、▲54歩、△55桂。こんなのは全く攻めになっていない。今度は▲41飛に△31飛の受けがなくなっている分、さらに条件が悪い。「とにかく62銀が速い!」と焦ってしまったのが逆効果になった。負担になっているような飛車だが、71の地点を守っている重要な守り駒であった。
▲51飛と打たれてみると、△72銀打に▲63銀がぴったりで見事な惨敗ルート。これはあまりにも終盤力が低いと言わざるを得ない。
上図では、それでも△68とが最善だったようで、▲同金、△同飛成、▲79銀に△58竜と引き上げる。終盤で後手を引くのが最善とは、心理的には結構指しづらいのだが、意外にも後手900点ほど!このあたりは自分の形勢判断と大きく乖離していたし、今でも納得がいかない。
以下、気になる変化としては、▲61銀成、△同飛、▲62金に、そこで見切って△69金!(飛車を逃げると6筋が弱くなる)。斜め駒を先手に渡さないのがポイントと言える。
例えば▲53角なら、△79金、▲同玉、△68銀、▲77銀不成、△同桂、▲79銀で後手勝ち。
【まとめ】
・後手ゴキゲン中飛車に対して▲56歩は珍しいが、▲68玉には△88角成を逃さない。
・左美濃に対して55歩、同歩、同銀の攻めは不成立な模様。55歩、同歩、同飛もしくは21飛からの攻めが有力。
・焦って守護神の飛車を差し違えるな。
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開始日時:2021/04/24 20:58:07
棋戦:R対局 持ち時間15分
手合割:平手
先手:(1399)
後手:自分(1403)
手数----指手---------消費時間--
1 2六歩(27) (0:01/00:00:01)
2 3四歩(33) (0:02/00:00:02)
3 7六歩(77) (0:01/00:00:02)
4 5四歩(53) (0:05/00:00:07)
5 5六歩(57) (0:06/00:00:08)
6 5二飛(82) (0:26/00:00:33)
7 4八銀(39) (0:02/00:00:10)
8 6二玉(51) (0:10/00:00:43)
9 6八玉(59) (0:02/00:00:12)
10 7二玉(62) (0:13/00:00:56)
11 7八玉(68) (0:02/00:00:14)
12 8二玉(72) (0:30/00:01:26)
13 5八金(49) (0:03/00:00:17)
14 7二銀(71) (0:50/00:02:16)
15 9六歩(97) (0:08/00:00:25)
16 9四歩(93) (0:02/00:02:18)
17 2五歩(26) (0:29/00:00:54)
18 8八角成(22) (1:21/00:03:39)
19 8八玉(78) (0:04/00:00:58)
20 2二銀(31) (0:10/00:03:49)
21 7八銀(79) (0:04/00:01:02)
22 3三銀(22) (0:11/00:04:00)
23 6六歩(67) (0:02/00:01:04)
24 5五歩(54) (0:35/00:04:35)
25 5五歩(56) (0:04/00:01:08)
26 5五飛(52) (0:01/00:04:36)
27 6七金(58) (0:02/00:01:10)
28 3二金(41) (1:00/00:05:36)
29 5六歩打 (0:03/00:01:13)
30 5一飛(55) (0:02/00:05:38)
31 5七銀(48) (0:01/00:01:14)
32 4四銀(33) (0:35/00:06:13)
33 1六歩(17) (0:08/00:01:22)
34 3三桂(21) (0:14/00:06:27)
35 3六歩(37) (0:14/00:01:36)
36 6四歩(63) (1:26/00:07:53)
37 1五歩(16) (0:19/00:01:55)
38 5五歩打 (1:17/00:09:10)
39 5五歩(56) (0:13/00:02:08)
40 5五銀(44) (0:03/00:09:13)
41 5六歩打 (0:01/00:02:09)
42 4五桂(33) (0:53/00:10:06)
43 5五歩(56) (1:07/00:03:16)
44 5七桂成(45) (0:06/00:10:12)
45 5七金(67) (0:02/00:03:18)
46 3九角打 (0:18/00:10:30)
47 5八飛(28) (0:05/00:03:23)
48 4九銀打 (0:31/00:11:01)
49 5九飛(58) (0:04/00:03:27)
50 4八角成(39) (0:02/00:11:03)
51 6七金(57) (0:23/00:03:50)
52 5八歩打 (0:13/00:11:16)
53 4九飛(59) (0:04/00:03:54)
54 4九馬(48) (0:02/00:11:18)
55 5四桂打 (0:08/00:04:02)
56 5九歩成(58) (0:34/00:11:52)
57 6八金(69) (0:04/00:04:06)
58 5八と(59) (0:53/00:12:45)
59 7七金(68) (0:02/00:04:08)
60 3八飛打 (1:07/00:13:52)
61 6二銀打 (0:27/00:04:35)
62 5四飛(51) (1:41/00:15:33)
63 6一銀成(62) (0:07/00:04:42)
64 6一銀(72) (0:05/00:15:38)
65 5四歩(55) (0:03/00:04:45)
66 5五桂打 (0:28/00:16:06)
67 5一飛打 (1:54/00:06:39)
68 7二銀打 (0:23/00:16:29)
69 6三銀打 (0:49/00:07:28)
70 6三銀(72) (0:41/00:17:10)
71 6一飛成(51) (0:05/00:07:33)
72 6七桂成(55) (0:41/00:17:51)
73 7一角打 (0:04/00:07:37)
74 投了 (0:05/00:17:56)
まで先手勝ち (投了)