男子だけの場での会話だと、時折、恋愛系、異性系の話が振られることがある。
そういう場面で、ホモソーシャルな価値観を押し付けられると感じることがあるので、今回はこれについて少し書いてみる。
まずは、「彼女つくらないの?」「好きなタイプは?」という問いかけについて。
恋愛や結婚することが王道的な生き方という前提で話を振らないでほしいと思っている。
私は、(特に学生界隈にありがちな)彼女、彼氏がいることがステータスという雰囲気はバカバカしいと思っている。交際相手をつくることは、留学や転職や進学と同じく、その人の単なるひとつの選択にすぎない。
大学入学して間もなく、とある法律研究室の入室試験を試しに受けてみたところ、小論文のテーマが「恋愛」だった。殆ど思考することができず、「出題との相性が悪かった」と諦めて5行ほどで提出したくらいには恋愛について興味がない。
そもそも恋愛の話にはあまり乗り気でない。人の話を聞くのはOKだが、私自身は恋愛に価値基準を置いておらず、自分の話をしようとは思わない。過去に女性に恋愛感情を持ったことはあるが、掘り返す気はないので話を振られると、面倒くさいなと思っている。
特に、定番の「好きな女性のタイプは?」という質問がだるい。特にないので、テキトーに考えたふりをして答えている。例えるなら、将棋の指し方がよくわかっていないのに「好きな戦法は?」と聞かれるのと同じようなものだと思う。
恋愛に興味があったとしてもまともに答える気はおそらくない。こういう質問をしてくる人は好きな女性をフィルタリングして選んでいるのか?と思う。実際人間がどういうきっかけで他者に恋愛感情を抱くかは予測できないのでは?また、「説明できる好きは本当の好きではないのでは?」と思う。
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それでも「彼女つくらないの?」というレベルはまだ耐えられる。問題はナンパとか風俗などの話題だ。悪ノリ野郎がひとりでもいると、こういう空気が流れてくることがある。
私からすれば別に女性の立場に立って想像力を働かせるまでもなく、ナンパはシンプルに迷惑行為である。
「童貞を卒業したかどうか」という会話も意味がわからない。童貞/非童貞、処女/非処女という区別に何の意味があるのかわからないため、特に興味がない。意義を理論立てて淡々として説明するのであれば構わないのだが、酒が入った状態で喜々とした勢いで話す雰囲気が醸成されるのは勘弁してほしい。とりあえず、「童貞すら守れない男に何が守れるというのか。」などとテキトーに返している。
この流れから続く(ことが稀にある)、風俗や海外買春の話は最悪だ。
あまり整理できていないが、風俗を全面禁止すべきとまでは私はおそらく思っていない。しかし、性的な話題が苦手な上、風俗となると女性の貧困問題が常にちらつくので、二重に不快感を覚える。自分の武勇伝(?)をして、どういうリアクションを期待しているのか、シンプルに謎だ。
私は別に女性を特別大切にしようなどとは思っていないが、こういう男に女性は引っかからないでほしいと思う。
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「男であれば彼女をつくるだろ」「男であれば童貞卒業すべきだろ」「男であれば風俗に行くだろ」
こういうホモソーシャルな言動は(右に行くほど)私にとって不快なものである。
彼女をつくったのであれば、単にその事実と自分の気持ちを言えば良いのであって、お前も彼女/彼氏をつくれ、などと価値観を押し付けるのはおこがましい。
特にアウトなのは半ば強引に風俗に連行していく、みたいな件である。私自身は被害に遭ったことはないが、価値観の押しつけの極致というほかはない。
「男であれば彼女をつくるだろ」「男であれば童貞卒業すべきだろ」「男であれば風俗に行くだろ」
価値観の差異は譲ることはできても、こういったホモソーシャルな内容を押し付けられて結構ゲンナリした、というのが最近あった出来事である。
ということで以上。