ブログネタ:こんな風になりたいと思ったドラマ・映画の主人公
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こんな大変な業界は嫌だ。
っていう業界は、国立医学部、つまり大学病院なんだけど。
白い巨塔の続きの記事、早く書く筈だったんだけどさー、風邪引いちゃって。
今もまだ咳が止まんないのよ。やぱし仕事行きながら治そうってのが無理なのよね。
という訳で、若干終わった感のある話題ではありますが、覚書として記しておきます。
キャラ分析めいた事どもを。
財前又一=マタは財前五郎の嫁の親、つまり義理の父。この義父が財前にべた惚れなんである。
目に入れても痛くない程可愛い婿、という台詞にもその様子が表現されてるよね。
第2話、だったと思うな、マタが財前に、自分の使ってた高級ライターをテーブル上で投げてよこす。
財前は100円ライターを使っているのだが、それを見たマタが「そんな安いもん持ってたらあかん」
と言ってシルバーの重そうなライターを彼に渡す。
言わずもがな、ライターっつーのは炎の象徴であり、炎っつーのは欲望の象徴でもある。
勿論希望のシンボルだったりもするんだろうが、財前の場合、東教授の台詞にもあるが、
彼の場合は些か野心が勝り過ぎるところがある、てなもんなのでストレートに欲だろうと。
財前の中にふつふつと湧き起こっていた野心に火を付けたのがマタだとも言える。
この図は、叔父に対して疑惑の目を向けたハムレットに、「あいつを殺せ」と(悪く言えば)唆した、
ハムレットの父親の亡霊の姿に被る。
しかしながらハムレットが最後、結果的に父親の元に向かうのに対し、マタは生き続ける。
財前だけが屍となってこの世を去っていくのだが、ベッドに横たわる財前に接するマタの姿は、
いつもながら若干やり過ぎの演技ではあったが(苦笑)、それでも本当に彼を息子だと思っていた、
その悲しみが十分に伝わるものであった。
そんなマタの娘で財前五郎の嫁、杏子。何不自由ない暮らしの中で育ち(マタは産婦人科医)、
結婚後も何不自由ない暮らしを続けている杏子。
夫との冷え切った夫婦生活にも不満はない、というより、杏子も財前も解っているのだ、
今の生活を守るには、絶対に相手が必要であると。
何のバックグラウンドもなく、腕一本で大学病院の助教授にまで成り上がってきた財前には
杏子のような、生まれながらにして財産にも美貌にも恵まれた妻が絶対に不可欠であり、
財産にも美貌にも恵まれた町医者の娘には、次期大学教授の名を欲しいままにする夫が、
どうしても必要なのだ。
なもんで、この夫婦、男女としては冷えているけど、どこか同士のような存在であり、
だから、妻が何をしようと、夫に愛人がいようと、それはそれ、とお互いにどこかで解っていて、
それでいて、結局大きく繋がっているのだ。
ねえあなた、早く教授になってね、と杏子は言う。
それに財前は応えたいと思う。勿論自分のために。マクベスとマクベス夫人を思い出す。
夫の愛人の家に出掛けて行き、和やかに(?)話をしてくるだけの如才ないところがある杏子は、
財前が危篤になる前に、愛人である花森ケイコを病院へ呼ぶ。
後悔のないように、と鵜飼教授夫人に言われたのがきっかけではあるが、なかなか憎い事をする。
自分で買った花を持ち去り、愛人のために病室の花瓶を譲るあたりの美学がいい。
自然呼吸が止まったと知らされた時、人工呼吸器などつけないで、と言うのも杏子だ。
この人はそんな生き方を望む人じゃないわ、と彼女は言う。夫婦でなければ言えない台詞だ。
死に瀕した財前の元に里見が駆けつけた時、誰よりも先に財前の耳元で叫ぶのも杏子だ。
あなた、里見先生よ!里見先生がいらしたわよ!あなた!里見先生!
すると奇跡的に財前は昏睡状態から目を覚ます。この辺りも、妻でなければ解らない感覚だろう。
財前が誰よりも欲していたのは、他でもない、里見だろうと。
この二人、反発はし合うが、嫌いだとか好きだとかいう低次元の争いを決してしない。
互いに尊敬しあい、認め合っているが故の反発なのだと、これも互いに解っているからである。
こんな風に理解し合った二人だから、信頼の度合いは他人の入り込む余地などない。
(意識の戻った財前に鵜飼教授が呼びかけるも、死力を振り絞った財前がお前に用はない!と言う。
如何にこの鵜飼という教授がこの物語の一番の「タヌキ」だったかが解るシーンでもある。)
ステージ4、持って3か月と互いの診断が一致したところで、里見は財前に言う。
俺の病院に来ないか。君の望む治療をする。俺がそばにいて、君を受け止めるから。
財前より背の高い里見の包容力を余計に感じるシーンだ。
ガンの権威がガンにかかる。財前は言ってみれば、自分で自分の術に嵌ったようなものである。
自分自身に驕ったがための末期とも取れるし、この辺は様々に解釈できる。
ただし、里見の、財前に対する思いは別格で、というか、たとえ財前がどんなヤツであっても
(それをどれ程か知っていても)、里見は財前をかけがえのない存在だと思っている。
だから財前は、里見にだけは言えるのだ。僕は不安なんかじゃない。ただ無念だと。
コリオレイナスとオーフィディアスの関係を少し思い出した。
映画の中で、オーフィはコリを殺して泣く。コリがかけがえのない人物だと知っているから。
勿論里見は財前を殺してはいない。しかしあの一連の裁判において、財前からメスを奪う、
その可能性を知りながら、里見は自らの正義を貫こうとするがために証言台に立つ。
佐枝子の台詞に、里見先生は財前さんを助けるために証言なさったんだと後から解った、
というのがあったが、確かに理屈ではそうなのだが、財前からすればメスを奪われるという事は
殺されるも同然なのであり、結果的にオーフィとコリのような関係になってしまっていると思う。
しかし、オーフィがコリを殺したくなどなかったように、里見だって財前に生きていて欲しかった。
そして財前も、里見と共に、がんセンターの立ち上げをするのを夢に見ていた。
二人で、二人で、と里見に言いながら財前はこの世を去る。
オーフィが泣きながらコリの遺体を抱える姿と被る。
まあ、いつもの事ながらこじつけなんですけどw
こんな見方も楽しいかなと思って書いておきます。
なお、来月(明日からやがな)より早速「おべんきう」体制に入る予定でおります故、
ブログ更新はこれまでより滞って参ります事、どうかご了承くださいませ。
今年は、人の意見に惑わされずに、自分で本気で見たいと思ったものと、文学作品を中心に、
新旧問わず映画を見て行きたいと思っています。今後もどうぞお付き合いくださいませ。
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