先日記事にした、某勉強サイトでのwebmasterことO様もその一人だが、
今日の昼、大滝詠一氏のニュースを聞いた時は本気でブッ飛んだ。
小学校4年か5年の頃だったと思う。
当時、JR(国鉄?)の夏休みの乗車率は恐らく200%くらいだったんじゃないか。
その位大混みの中、私と母は新宿から、甲府に向かう列車に揺られていた。
もう大きいのだし(私は背格好も結構大きい方だった)、立っててもいいのだが
何せ茨城からの道中であるため、母は私を先に座席に座らせてくれた。
空いていた座席は、4人がけボックス席のうちのひとつ。
あとの3つには、長野まで向かうと思しきお姉さん達=女子大生が座っていた。
丁度ウォークマンというものが世の中に出始まっていた頃だと思うのだが、
あれだとMAX二人までしか音楽を楽しめない。
という訳でいまだに小型のテレコ=テープレコーダーが巷に出回っていた。
窓際に置かれた小さなテレコから音楽が流れていた。
聞いた事のない、美しい声と旋律が印象的だった。
誰の曲なのか全く解らなかったけれど、私の耳は奪われたままだった。
薄く切ったオレンジを アイスティーに浮かべて
海に向いたテラスで飲み干す
ドコの異国の話だろうか。間違っても我が家のメニューにはない飲み物。
山に向かう列車で聞いた、海の似合う曲だと思った。
それが大滝氏の音楽との初めての出会いだった。
その曲が「カナリア諸島にて」という曲だと知ったのはそれから随分後だ。
ぼうっとテレコを眺めていた私を母が小声で注意した。
どうやら母は、私がテレコではなく、
お姉さん達が食べていたチョコレートのお菓子を眺めていたと思ったらしい。
親というものはまあ、そんなもんだ。
チョコレートの甘さとオレンジの香りが大滝氏の音楽には感じられるのは、
多分この記憶のせいだろう。
で、ここで大滝氏の音楽が流れると思うでしょう?実はそうではない。
大滝氏の事だったら私よりもっと詳しい方が沢山書いていらっしゃると思うので
ここからは別の音楽家について語らせて頂く。
ドラムの魅力を教えてくれたのは、インディーズとはいえいまだ現役のバンド、
FENCE OF DEFENSEのドラマー、山田亘氏=わたるちゃんである。
わたるちゃんは耳で同期を聞きながら叩く癖に、いやらしいドラムを叩くという、
まるで血の通ったロボットというか、アンドロイドの魂というか、そんな感じだ。
わたるちゃんのお陰で、ドラムという楽器の良さに目覚めた私は、それから、
ミュージシャンのCDにクレジットされているドラマーに注目するようになった。
その中でお気に入りとなったのが、ライブ&セッションドラマーとして
数々の有名ミュージシャンに起用されている、青山純氏だった。
青山氏はヤマタツをはじめ数えきれない程クレジットがなされているが、
中でも私が好きだったのは、これまた大好きなB'zのアルバムでのプレイだった。
端正な中に情熱が感じられ、わたるちゃん程いやらしくないが、大人の風格がある。
リキュール入りのビターチョコレートとでも言った味わいだろうか。
アルバムを聞く度に、青山氏のドラムかどうか、確認していた時期もある位で、
そうでないとがっかりもした。ただし青山氏以外も山木秀夫氏とかポンタ氏とか
新しく覚えた名前もあり、それはそれで楽しみも増えて行った。
(村上ポンタ氏を認識したのが青山氏より後ってのもどうかと思うが…)
全く知らなかったが、息子さんが二人いて、二人ともドラマーなんだという。
お父さんとしてこれ以上の喜びはなかったのではないか。
勿論、自分を越えて欲しいという希望もあったろうし、
超えられてたまるかという一流のライバル心もあったのではないかと思う。
でも、あの穏やかなお顔の青山氏の事だから、
自分は自分、息子は息子で、楽しんでステップを踏めばいいと、
そんな風にも思ってたんじゃないかと勝手に想像している。
この12月、青山氏が亡くなったと知った。
56歳だったらしい。
まさかと思った。
どうしようと思った。
どうもする事ないのに。
どうにも出来ないのに。
ありきたりだが、それでも私は考える。
私のipodには今3000曲を越える音楽が詰まっている(もうあと2Mも残ってない)。
その中の果たして何曲分か解らないけれど、青山氏のドラムが確実に入ってる。
それは、今後もデリートされる事はないだろう。
そうである限り、青山氏は永遠に生き続ける。
刻まれたリズムのひとつひとつの中に。
ライブ映像しかなかったのでこちらを張っておくが、
この曲の入ったCDでは殆ど青山氏が叩いてくれており、私の大好きな1枚でもある。
特にこの曲のカッコ良さは白眉だ。是非CD音源かダウンロードで聞いて頂きたい。
お二人のご冥福を、心よりお祈り致します。
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