12/07/13 DVD: habemus papam | **コティの在庫部屋**

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「ローマ法王の休日」

Habemus Papam


確かにコメディと言えばコメディだろうが、あんましそこを期待して見ない方がいい。なんつってもモレッティ監督だし、

そこは一ひねりも二ひねりもある訳であって。てかそうじゃないと面白くないというかね。

個人的にはこれ、大好き。そこはかとない笑いの中に見え隠れする、ぞっとするようなこの業界の構図に、

ふと、何処の世界もおんなじか、と気付かされるという奥深さに痺れる。人生の大リベンジ映画とも言えるかな。


乗っけのコンクラーベのどす黒さが堪らないw さっきも書いたように何処の世界でもある事だけどさ、

でもさあ、「ブルータスお前もか」的な、こんな業界でも黒い根回しがあるんだなあという悲しみに満ちた感慨が深い。

小学校の頃、いたじゃん?ああいうク○根性の悪いガ○(自粛。自分が楽したい=得したいがために、

いいじゃん、あいつに押し付けちゃえよって感じで、人のいいクラスメイトに仕事が回るようにするヤツ。

「○○ちゃんなら絶対、責任感を持って係をしてくれると思いまーす」とか言いやがって締めたろか

と今なら言えるというか解るというか、まあそんな奴よw そういうのがこんな尊い業界にもいるんだなあというね。

いや、勿論フィクションなのは解ってるけど、モレッティ監督の手腕にすっかりリアルが混在してしまうのよねw


だからそうやって選ばれちゃったメルヴィルは逃げる。そら逃げるわな。逃げて、本当の意味で人を見つめ直す、

んだけどそれだけじゃなくて、最初に雇われた彼のセラピストが、残った枢機卿達と繰り広げるやり取りや、

法王の振りをして室内で静かに好き勝手することを許される侍従や、何よりメルヴィルの側近である報道官など、

ひと癖あるけど魅力的な人物が数多く出てくる。勿論、メルヴィルと出会うちょっと気が触れた天才役者や、

彼のもう一人の女性セラピスト(さっきのセラピの元妻w)とその子供達もいい味出してる。他にいいなと思ったのが、

最初にお水を出してくれるデパートの店員さんと、メルヴィルに携帯を貸してくれるカフェの女の子。

こういう、市井の人々との交流があったからこそ、メルヴィルはラストに大どんでん返しを行う事になるのだろう。


ハリウッド映画ならラストはどっかーんと、こうして一人の男が立派になりましたとさ、ちゃんちゃん、って感じで

終わりにするんだろうけど、そう安っぽくしないのがイッターリアの深さだよねえ。凄い美学を感じた。

人間には、一歩引く美学、負ける美学がある。前に前にと出るだけが、人の生き方ではない。

メルヴィルは多分、人が大好きだから、国民を愛していたからこそ、あの結論を取ったのだろう。

それはひいては即ち、最初に彼を陥れた、どす黒いコンクラーベを仕組んだ連中への面当てになるのだ。

ざまあみろというところである。ある意味、胸がスカッとするラストでもある。


言う間でもないけど、メルヴィルを演じたミシェル・ピッコリと報道官のイエルジー・スチュエル、名優である。


神は許してくれるかって?

祈るしかないさ。

私も一人の人間だから。


*****


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