04/03/13 Theater: anna karenina | **コティの在庫部屋**

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楽しい訳なかろう、恋なんて。



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「アンナ・カレーニナ」

Anna Karenina


いやあ皆様、御無沙汰でございました。お元気でいらっしゃいますか?

先日はワタクシの代わりに、世界一愛する俳優ベニシオ・デル・トロに御挨拶頂きましたが、如何だったでしょうか。

デルトロ氏の言うように、現在おべんきう真っ最中のコティであります。マジで日夜頑張っております。

更にこの4月より、仕事が半分程激変する事となり、只今精神的にもかなりいっぱいいっぱいであります(苦笑。

映画の記事を書くのは本当に、ひと月に1回程になるかも知れませんが、これまで通り格別のご贔屓賜りますよう、

どうぞ宜しくお願い申し上げます。


さてそんないっぱいいっぱいの中、見てきましたよ、キーラたんバージョンのアンナ・カレーニナ。

まさか来るとは思わなかったんだよね、これ。文学作品だし、お客入るとも思えなかったのよ。それがどうよあなた!

平日レディースデイだったとはいえ、何この人は!って程の入り。レディースデイだったけどおじさんも多くてw

それはそれでなんか嬉しかった。洋画にこれだけ注目が集まるのってファンとしてはほくほくものよ。


アンナ・カレーニナと言えば私はそふぃーまるそう様バージョンを15年程前だったかなあ、銀座の映画館で見て。

そのエロスの濃ゆいの濃ゆくないのって感じの噎せ返る色香にやられ、だからこそラストのショッキングさにやられ。

その時の印象がどうにも抜けなかったので、今回キーラたんがどないなアンナを演じ切ってくれるのか期待して行った。


監督が「つぐない」「プライドと偏見」で古典ファンを魅了しつつも「ハンナ」でけめこに音楽担当振ったりして、

現代的センスも高く持ち合わせている(と私は思ってる)ジョー・ライト。で、脚本がトム・ストッパードなのよ奥さん!

英文学的には「ローゼンクランツとギルデスターンは死んだ」のトム・ストッパードだかんね!悪い訳がない。

(ちなみにこのローゼンクラ以下略はゲイリー・オールドマン&ティム・ロス主演で映画化もされているんだが、

更にこれはストッパード自身が監督しているんだが、どうやらメディア化されてないらしい。くぅ!どうにかしてくれ!)

なもんでその辺に興味がある方には俄然お薦めする作品でもある。


まずコティさん的見地から行くと、脇を固める女優が全員素晴らしい。好きな女優がキーラたん以外に3人も出てる。

まずはアンナキーラたんの兄嫁に当たるドリーをケリー・マクドナルド。キーラたんが惚れちゃうヴロンスキーのママ、

ヴロンスキー伯爵夫人をオリヴィア・ウィリアムズ。そしてキーラたんの旦那カレーニンの味方イワノヴナ伯爵夫人を

エミリー・ワトソン。どうよこのメンツ!コアな映画好きには堪らない布陣でしょう?この3人がメチャクチャいい!

更に、ドリーの旦那、つまりアンナキーラたんの兄役のマシュー・マクファディン、この人がいいとしか言いようがない。


マクファディンって前も巧い人だなあって思ってたけど今回はもう真骨頂って感じで彼の持ち味フル活用よ。

彼が出てくるシーンはどれもユーモアたっぷりで、これがロシアのアンナ・カレーニナなの?って位楽しい。

逆に言えば、彼のシーンが明るいからこそ、他のシーン、特にアンナとカレーニンのシーンの仄暗さが引き立つ。

そしてキーラたんの兄がこんだけ明るくて根は悪くない人間だって解るからこそ、ドリーが彼を許せるのも理解できる。

ヴロンスキー伯爵夫人の洗練された美しさ、社交界の掟を破らぬスマートな遊び方をばらすシーンも印象に残る。

そんなママから生まれたのに、息子はあの体たらく。そら失望して、叱るわなとw


もうひとつ実に印象の残るのが、この映画の舞台。そう、文字通り舞台なのだ。

と言ってもただの舞台をそのまま撮るんじゃ意味がない。舞台から始まって様々に広がりを見せつつも、舞台で終わる。

うーん、巧く説明できないのだが、とにかく、舞台の上が社交界で、その下がそれより下の生活圏で、

舞台の裏は生活圏の更に下だったり、心の闇だったり。競馬場を舞台に持って来たのには天晴。凄い工夫だ。

キーラたんの身につける衣装もオスカー受賞納得ものだが、シャネルから借りたというネックレスが凄かった。

凄いのに可愛い。カメリアをかたどってあるのですぐに解ります。パンフにはロシア文学者の沼野充義氏のレビューも。


という訳でココからが本題なんですがw

あ、トルストイについて語る程私はロシア文学について知識ないんで、あくまでもこの映画についての話を。


まずね、この話はさ、不倫の話な訳よ。旦那を差し置いて不倫する話なのよ。この時代にとっちゃ一大事なのよ。

だからね、相手の男がそりゃあ魅力的じゃないといけない訳よ。メチャクチャいい男である必要があるのよ。

実際の不倫の話じゃなくて、あくまでも小説なんだから、だったら尚の事いい男じゃないといけないと思うの。

その点ね、ぶっちゃけ役不足なのよ、アーロン・テイラー・ジョンソン君が!ヽ(;´Д`)ノ

キーラたんが人生を投げ打ってでも走っていく男にしちゃあ、若干チャチいというか、青過ぎというか。

もっと言うと、薄っぺらいんだな。情熱だけで彼女を欲しいと言ってると言うより、おもちゃを欲しがる子供。

いやしかし、ここは狙い通りなのかもしれないのよ実は。監督自身が彼は「まるで子犬のように」恋すると言ってるし。

だから監督の意図としては実に当たってるんだけど、これではヴロンスキーという若造が若造の域を越えない、

つまり、アンナが恋する人物にしちゃあイマイチ説得力がないのよね。

だから観客はアンナが彼にのめり込んで行くのを見るうちに、アンナやめとけ!と叫びたくなるとw

この2人を純粋な恋人同士として、応援する気が起きないんだなー。いや勿論これは私の個人的感想だけど。


なもんでね、アンナとヴロンスキーに肩入れ出来ないって事はつまりは、旦那カレーニンがいいって事になる訳よ。

前に「レディ・チャタレー」を見た時も、あの時もチャタレイ旦那の中に悲しみが浮かんでいるのが見て取れたため、

彼を100%冷酷な人非人だとは責める気になれなかったんだけど(でもこの映画はチャタレイ夫人を応援出来た)、

今回はもっとずっと、カレーニンという人物の奥深さを知るきっかけになった気がする。こういう解釈もあるのかと。

まあね、そうじゃなきゃジュード様がこの役引き受けないよね、きっと。


カレーニンがアンナと離婚しないのは、それこそ浅薄な思考で考えれば、単なる嫉妬心や執着心なんだろうけど

それだけの理由で離婚しないとすれば、彼のそれに対して払う代償は大き過ぎる気がする。

尊敬されるべき人物だった筈のカレーニンが、後半、アンナがヴロンスキーとペテルブルクに戻ってきたと

イワノヴナ伯爵夫人が伝えに来た時、議会での票を集められずに自身が失望しているシーンがあるのだが、

あれは、妻に浮気され逃げられた癖にいつまでも離婚に応じない彼に失望したのは寧ろ同僚の方であり、

そうなると、世間的な疵を負っているのは実は夫であるカレーニンなんだという見方も出来るのではないかと思う。

そんなリスクを背負ってまで、カレーニンがアンナと離婚しない理由なぞ到底分る筈もないが、映画から考えるに、

まあぶっちゃけ言えば、カレーニンは同じ男として、ヴロンスキーという若造の人間的頼りなさを見抜いていたのではと。


アンナがヴロンスキーとの子を宿し、産後精神的にかなりキてしまうシーンにそれが如実に表れている。

別室に移った二人の男。カレーニンはヴロンスキーに声をかける「帰りたまえ。妻が呼んだ時は必ず使いをやる」

そのカレーニンに対し、ヴロンスキーは口惜しい顔を見せる訳でもなく、ただカレーニンの肩に泣き崩れるのだ。

どうよ。これ見ちゃったらさあ、旦那じゃなくったってこいつあかんだろと思うんじゃないだろうか。

この辺原作ではどうなってるのか知りたいところだが、なんつっても上中下の三段構えだからねえ。敷居高いわw


普通この小説では、旦那カレーニンの冷酷さがクローズアップされる傾向にあるのではと思うのだが、

今回の映画化ではこの点が全く逆、とまでは行かなくても、ヴロンスキーの頼りなさを描出する事によって

カレーニンの本来持っていた筈の人間味を滲み出させたのではないかと思う。

それと同時に、アンナの悲劇性も無理なくこちらに伝わらせる事が出来た点がいい。

ああ、カレーニンは本当にアンナを愛していたのだなあというラストシーンに感動しない人はいまい。


まあね、アーロン君そんな訳でこの映画では私としてはかなりけちょんけちょんなんですけどwww、パンフには

「テイラー・キッチュ、ブレイク・ライヴリー、ベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエックらと共演している、

オリバー・ストーン監督の『野蛮なやつら/SAVAGES』が本年3月に日本公開された」

ってあったからまあ許してやる事にするwwwww

久し振りに書いたら大長編になっちまいました。こちらこそお許しを(苦笑。


厄介ものの君の愛が

生み出した美しい天使を

僕は死ぬまで見守り続けよう。


*****


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