ブログネタ:今怒っていることある?
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怒ってたんだろうなあ、彼はきっと。
だから最後彼はああ出るんだろうと思うよ。
「ブラック・ブレッド」
Pa Negre
Black Bread
2010年、スペインのゴヤ賞に輝いた作品。
中身は重そうだったが、サスペンス仕立てってのがいいなあと、予告を見て凄く気になったので借りてみた。
いやあ、傑作かも知んないこれ。ぐいぐい引き込まれてあっという間の113分。巧い!と思わず唸ったね。
アルモドバルの「私が、生きる肌」を差し置いて、オスカーの外国語映画賞のスペイン代表に選ばれたのも納得。
1940年、スペイン内戦直後のカタルーニャ地方が舞台という事だが、その辺の事情はよく知らなくても十分見られる。
寧ろ主題はそこじゃなく、その、戦争という異常事態に人はどれ程異常になっちゃうのかっていうところなので、
その辺の普遍性ってのはまあ、ある程度こういう映画見慣れてる人なら大丈夫だと思う。
まずね、森なんですよ森。森っていうのはシェイクスピアの頃から、日常とはかけ離れた世界って事になってるけど、
この映画では森は負の、秘密の、子供の、罪の、無垢の、魔物のシンボルであり、非常に深い意味を持つ。
主人公の少年が瀕死の友人を見つけるのも、従姉の少女に秘密を打ち明けられるのも、あの青年に会うのも森。
その青年なんですけどね、あの「背中に翼の生えた青年」ね、あり得ない程の美しさ。なんでしょうあれは。
もうホントに背中に翼生えててもおかしくない程キレイ。ガチで天使かと思った。思わぬ収穫だったw
こちらは主人公と従姉の役だった二人。映画と違って今風の感じが何とも可愛いので貼っておきます。
何がいいかってこの映画、子供を描こうとしてないのがいい。そして、子供を通した大人を描こうともしてない。
つまり、12歳の主人公と全ての大人&子供達が、全員ガチで対等なのよ。親も親戚も先生もあのおばはんもw、
みんな対等。普通こういう映画って絶対最初に書いたどっちかになるでしょ? それがないの。非常にニュートラル。
そのえこひいきなしの視点が物凄くいいんだよね。だから少年があからさまに哀れなのでもないし、彼の両親や
その他に大人がみんな揃って悪玉って訳でもない。生きるために必死だったとはいえあれは許されんだろう、
と見てる方は無理なく思えるし、最後の少年の在り方についても、意気揚々と敵の懐に入ってやろうとか思ってないし、
かといって親に対して一ミリも郷愁を覚えてない訳でもないんだけど、ああ言うしかないっていうその辺の塩梅がね、
もうね、巧いんだよなあ。登場人物が全て生き生きしているってのもポイント高いよね。
公式HP見るとあの青年は病のせいで修道院にいるって事になってるけど、少年の従兄の兄ちゃんが言うのも多分本当。
で、彼のあれを、あの人とあの人がああしちゃったってのもきっと本当。それはあれが原因でね。
まさかこういう映画でそっちが語られるとは思ってなくて、うーん、深いなスペイン。
鎧を着た僕の心に誰も入れはしないけど、
あの人だけは時々夢の中に出てくるんだ。
そして微笑みながら、僕を包む翼を広げている。
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