ブログネタ:涙もろい?なるべく泣かない?
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本当に泣きたい時には、涙なんか出ない。
「ラビット・ホール」
Rabbit Hole
美しい映画だった。色使い、衣装、音楽、そして結末。ニコちゃんの映画ってのはどうしてこう嫌みなく美しいのだろう。
ヘドウィグ撮った人の作品だから、もうちょっとどぎつい描写もあるのかと思ってたけど、なかったから更にいい。
うーん、漂白剤でパリッと洗濯されたような清潔な気分w 私好きだなあ、この映画。
でも、だからこそ、多分この映画を、キレイすぎる=キレイゴトだよ、と評する人もいるだろう。
ニコちゃんのあの彼に会うという行動を、ココロから理解できるかと言えば難しい。ぶっちゃけ私も瀬戸際だ。
ニコちゃんがあの彼を、恐らく事故の前後に紛いなりにもどういう人間が知ったからこそ、会う気になったんだろうし、
そうでなければ絶対にそういう気にはならないどころか、その行動が様々な危険を招くケースもある。
が、この映画には、そういう事を心配していては味わえない何かがある事は確かで、だから現実を顧みながらも、
このひと組の夫婦の人生の模索の仕方、答えの出し方をじっくりと堪能すべきなんだろうと思う。
元々が戯曲だけあって(ピューリッツァー賞受賞)、ニコちゃんとアーロンのガチンコバトルが堪らなくいい。
二人の心の爆発ぶりが伺える、本気の勝負である。この二人、一歩も引かないところが実にリアル。
妻を求める夫、夫を拒む妻、という構図はきっと、夫は自分を助けてくれる誰かを求めていたという事の表れで、
妻は夫だけではなく誰にも心身ともに触れて欲しくないというメッセージの表れであったとも取れる。
つまり、妻は潔癖のアイコンであるのに対し、夫は清濁併せ持つものへの憧れの体現ではないだろうか。
共に、心を静かに癒されたい、という願望は同じでありながらもね。ああ、これだから男と女ってのは。
どうでもいいけどアーロンのニコちゃんへの迫り方が大人の色気爆発で参ったw 私なら速攻降伏だwwwww
アーロン夫の清濁の憧れの対象となる、サンドラ・オーがいい。この人巧いよねえ。サイドウェイも素晴らしかった。
最後、彼女はきっと解ってたんだよね、彼がああ来るって事を。それでも、彼を広く受け入れようとするあの度量。
玄関での彼女の表情が実によかった。見てるこっちが切なくなる程。くぅ。
宇宙ではないけれど、パラレルワールドという概念は、SFとかアニメが好きだった友達に小学生の頃聞いた。
エヴァンゲリオンの最終回でもそれらしい描写が出て来たので(元気な綾波、みたいな)、ポピュラーなんだね。
文系のリアリスティック野郎=私から見れば、そこに逃げ込むのが果たしていいのかどうか判断しかねるんだけど、
それを逃げと取らずに、本当に科学的に存在を信じる、というのであれば、まあありなんだろうなと。
その辺の、言ってみれば科学のファンタジーも、この映画の味の一つだ。そしてニコちゃんの言動から察するに、
科学のファンタジーを信じる方が、神に逃げ込むより余程いいだろうというメッセージも、この映画にはあるんだろう。
テイストとしては「21g」に似てるのかなと(会ってはいけない立場の人間同士とか、狂信的に神に縋るものとか)。
あれ程しょっぱくないけど、あの映画を下敷きにして考えると、ニコちゃん妻が彼に会い続けた気持ちが解る気がする。
失ったものの重さは変わらないけれど、だからこそ、その重みを理解して、共有してくれる人が必要なんだ。
勿論それが一番身近な人ならいいんだけど、一番身近だからこそ、そうそう巧く行かないんだよね。近いからこそ。
だけど、最後に戻って行くべき相手は最初から解ってる。
悲しみが側にいる人と共有できない事の悲しさ。
悲しみをぶつける事の出来る人が側にいる事の温かさ。
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